時事
2026年07月09日緑の協力隊(6)

1日の活動を終えると、その日の夜は皆で食事です。宿泊施設で食事をとるか、外に出ての食事だったと記憶しています。
現地の方と食事会が催されることもありました。実質的に、緑の協力隊側(事務局)の方で準備をした会が多かったと聞いていますが、その場では手厚いおもてなしを受けます。
食事会では、決まってお酒がふるまわれます。地元の方とお酒をご一緒するのも活動のうちと聞かされていました。中国のお酒と言えば、日本では紹興酒が有名ですが、中国内陸部では事情が異なります。
訪れた地では、「白酒(パイチュウ)」と呼ばれるお酒が主です。訪れた地に限らず、中国では白酒の方が主流なのだとか。原料は高粱(コウリャン)。これから作られる蒸留酒です。高粱とは雑穀の一種で、日本でいえば、ヒエやアワの類と説明されました。
アルコール度数が高く、通常のものは62度でした。かなり高めです。もっとマイルドなものも出回っていて、我々にふるまわれたのはそのマイルドな方でした。でもマイルドと言っても、38度くらいだったと思います。
現地には、白酒を注がれたら、こちらからも注ぎ返し、お互いに飲み干すというマナーがあります。おちょこのような大きさの容器にお互いに注ぎ、「カンぺー」と唱和して、一気に飲み干します。アルコール度数は高めですが、何かで割るということもなく、ストレートで飲み干します。
1度や2度ではなく、これを何回か繰り返すのもマナーです。
私は、隊の隊長でしたから、食事会では、真っ先にこれをやることになります。はっきり言って、1次会でへべれけです。時には、途中でお酒自慢の若者と交代です。
現地の官庁にも歓迎されているらしく、あるとき、現地の高官と食事をご一緒させてもらいました。でも、この高官、態度がかなり横柄で、高飛車な感じです。ドラマで見る威張った地方の高官といったイメージそのまま。「私は殿様、あなたたちは従者」といった態度があからさまで、「ドラマで見る感じの悪い人、本当にいるんだ」といった感じです。
食事会では、当然のように「カンぺー」の機会がやってきます。その高官が隊長同士で「カンぺー」するのがマナーと切り出しました。こちらは、高官の態度にフラストレーションを感じていたこともあり、意気揚々に、内心「こいつ、絶対につぶしてやる」。
ところが、いざ「カンぺー」となると、その高官「あなたのお相手は、私ではなく、私の代理として若手の彼がいたします」。その場で若手に命令です。若手も命令には逆らえないようです。
「ちょっと待ってよ。自ら隊長同士と切り出しておいて。どこまで殿様なのよ!」
彼にどうしても「カンぺー」させたい気持ちが先走ります。我々の隊の中には、お酒には自信がある若手の女性もいました。「その女性から誘われたら、さすがに断れないのでは。」女性から高官に「カンぺー」のお誘いをしてもらいます。
さすがに、若い女性からのお誘いは断れなかったようで、その女性と「カンぺー」です。でも、もっと何杯も行かせたかったのですが、適当な量で逃げられました。
(つづく)