方針
2025年07月22日感情に任せてのメール

感情に任せて、業務上のメールを発信した経験はないでしょうか。
嬉しい感情の場合、お礼メールに代表されますが、受取り手も、送り手のよい感情が伝わってきて悪い気がしないように思います。お互いに同じ仲間だった場合など、共通の感情がある場合には、改めて嬉しさの共有ができます。時には、案件に直接タッチしていない人に連絡する場合もありますが、幸せをおすそ分けされる気分を感じることもあるかもしれません。
このようなメールは、お互いの雰囲気もよくなることが多いと思います。
では、反対に、ムカッ!としたときのメールはどうでしょうか。怒りの感情があらわに感じられるような文章です。
私の経験上、このようなメールを送ってよかったと思うことはありません。業務をよい方向に進めるうえでは、百害あって一利なしと言っても過言ではないように思います。
このようなメールを送る場合、相手に改善を求めたい場合がほとんどです。メールの目的も、本来は、改善を促すことです。でも、怒りに任せた文章では、受け取った側も気分を害したり白けたりします。また、言葉を直接伝える時と違って、怒りをにじませた文章で愛情を表現することは至難の業です。結果、相手への愛情があったとしても伝わりません。受け手によっては、嫌な思いが残るだけでなく、更なる怒りの感情を抱く人もいるでしょう。ぎくしゃくした関係になってきます。改善を促すという本来の目的に対しては、少なくとも抵抗側に働きます。
そもそも、改善を促すのに、怒りを文字化してまで伝える必要があるのでしょうか? ほとんどのケースでその必要はありません。メールが、相手に改善を促すのか、自身の怒りのやり場にしているのか、その目的が知らず知らずのうちに変わっている可能性があります。
また、口頭で直接伝えるのとは違って、メールは削除しない限り残ります。口頭は一時、メールは永遠です。ネガティブな関係になりやすいものを、わざわざ証拠として残すということになります。まずもって利はありません。一度に複数の関係者にメールを送信した場合にはなおさらです。
感情に任せてメール文を作成することは私もあります。でも、送信ボタンはすぐに押さないようにし、ある程度、時間が経ってからもう一度読み返すようにしています。書いているうちに感情が晴れてくることもあり、書き始めよりは冷静に読むことができます。できれば、一晩おいた翌日がすっきりした頭で確認できるので、時間がとれるのであればその方がお薦めです。読み返すと、ほぼ確実に送らなくてよかったなと思います。冷静な頭で書き直しです。
冷静に書いて送信したとしても、「これ、だいぶ感情を抑えて書いたんだろうな」伝わる人には結構伝わっているもんです。