方針
2025年05月13日3ディフェンスライン

ディフェンスラインというと、サッカーを思い出す人が多いかもしれません。サッカー中継では、3バックや4バックといったことをよく聞きます。どの戦術をとるかは、監督や相手によって変わりますが、戦術のなかでも大切な要素です。
標題にある3ディフェンスラインは、サッカーのことではありません。内部統制上のラインを指します。内部統制とは、組織の業務の適正を確保するための体制を構築していくシステムです。かなり平たく言うと、如何に合理的・効率的に業務を遂行し、適正な利益を上げていくか、如何にその妨げになり得るトラブルを起こさないか、またそのリスクを低減するか、といったことを行う仕組みと運用のことをいいます。ルールと責任者を明確にし、実施・評価・改善を行っていきます。これができていれば、内部統制が機能している、できていなければ機能していないということになります。内部統制が機能していない場合は、大きなトラブルや不祥事につながります。
内部統制では、3つの防衛線、即ち、3つのディフェンスラインがあります。
第1のディフェンスラインは、業務執行部門、事業部門がそれにあたります。当社でいえば、現業部門、即ちプロフィットセンターは第1のディフェンスラインです。業務プロセスの設計(計画)、実行、モニタリング、改善などを行うとともに、うまく進まないリスクを適切にコントロールすることが求められます。
第2のディフェンスラインは、リスク管理部門やコンプライアンス部門があたります。横通しを見る部門や取りまとめ部門といった方がピンと来るかもしれません。当社でいえば、経営企画室や安全・品質統括室等、サービスセンターは、原則、第2ディフェンスラインです。
第1ディフェンスライン、即ち、現場でトラブルの芽が進行中であったりした場合、自らが気が付いて改善することが理想ですが、そういかない場合があります。この時、第2ディフェンスラインで気が付いて是正を促すといった役割を持ちます。また、第2ディフェンスラインは、経営層との橋渡し役を求められることも多いと思います。
第3のディフェンスラインは、監査ということになります。第1・第2ディフェンスラインとは独立性を保って、その状況を観察し、必要に応じて是正を求めます。監査は組織の最後の砦となります。監査業務は会社組織にとっては重要な業務ですが、監査組織が活躍するような組織は、第1・第2ディフェンスラインの双方に問題があるということですから、ろくな組織ではないということになります。よっぽどの不祥事が明るみに出たときは、監査は何をやっていた? と真っ先に咎められます。
内部統制上、それぞれが役割を負っています。自部署の役割を認識し、適正な業務を行っていくことが求められます。