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方針

2024年08月22日ポテンヒット

 ポテンヒットというと、野球を思い浮かべます。ふら~っとあがった打球が野手の間にポテンと落ちてヒットになる。打者からすると幸運な状態ですが、守っている方からすると不運ということになります。特にピッチャーの立場から見れば、せっかく打ち取ったと思ったのにヒットになるのですから、たまったものではありません。得点圏にランナーがいて失点につながったなんて状態になると、さらに精神上穏やかではないでしょう。

 このポテンヒットという言葉、電力業界ではしばしば使われます。いい意味では使われません。とある案件を複数の部署で役割分担をして行う場合、役割分担が明確でない項目(要素)があり、皆でお見合いをして結局は誰もやらないケースが相当します。各々のテリトリーから外れたところに項目が残っている・・・ポテンヒットゾーンが存在しているという意味で使われます。ポテンヒットゾーンがある場合、放っておけば、いうまでもなくその案件はいずれ進まなくなります。

 ポテンヒットゾーンは、計画時に各組織の役割と責任者があいまいなときに発生します。計画の時に、これはどっち?ともめることがありますが、何らかの理由でその場で決めずに後に残すと、ポテンヒットゾーンが生まれたままになります。どうせいつか決めなくてはならないのですから、その場で決めるようにしたいものです。また、当初の計画では気づかずに、やっている途中で気づく場合もあります。このとき、言い出しっぺが損をするような雰囲気があると、気づいても共有されず、後になって困る場合があります。また、お互いにそちらの領域と主張して球の投げ合いが始まるといったケースも目にすることがあります。組織が大きくなるほど、ポテンヒットゾーンが生まれやすくなります。

 言わずもがなですが、業務においては、ポテンヒットゾーンは作ってはいけません。これをなくすためには、各業務を何のためにやっているのか、何を達成したいのか、そもそもの目的・成果を共有し関係する組織・メンバーそれぞれで認識し続けることが大切です。また、合わせて、その目的を果たすための計画の段階で各組織の役割と責任者をあいまいな部分を残さずに5W2Hで明確にすることが大切です。組織間でもめた場合には、目的・成果に立ち返り、自分の組織だけを考える部分最適ではなく、目的・成果物に向かって全体最適で進めることが重要になります。

 ここで述べるほど簡単ではない場合もありますが、そのような場面に遭遇しても乗り越えられない課題ではありません。必要な事項を具体化・共有しながら進めていきましょう。



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