方針
2025年10月02日原子力で3種の神器と呼ばれる資格

放射線取扱主任者(1種)、核燃料取扱主任者、原子炉主任技術者。私が会社に入社したころ、原子力事業者における3種の神器と呼ばれる資格とされました。
資格取得自体が難しく、相当の知識と経験がないと取得できません。受験者に対する合格率も高くありません。かなり本格的に勉強しても試験に合格できるか否かといった感じです。原子炉主任技術者の場合は、筆記試験に加えて現場経験に基づく口頭試験があります。
この資格を持っていると、原子力の専門家としても認められ、周囲から1目置かれる存在に見られます。
比較的最近になって、やはり難易度の高い技術士の資格が新たに設定されたこともあり、3種の神器という言葉はあまり聞かなくなりましたが、この資格は、現在に至っても、原子力事業者にとっては重要な資格になっています。
放射線取扱主任者は、放射線障害防止法に基づき、事業者に選任が義務付けられます。放射性物質を取り扱う事業には必要な資格です。核燃料取扱主任者は、原子炉等規制法に基づき、再処理事業者やウラン濃縮・MOX加工などの加工事業者に義務付けられます。原子炉主任技術者は、原子炉等規制法に基づき、原子力発電を行う事業者に義務付けられます。
なお、六ヶ所のサイトには、廃棄物管理事業と廃棄物埋設事業が操業しています。この事業者には、原子炉等規制法に基づき、廃棄物取扱主任者が必要になります。ですが、廃棄物取扱主任者特有の資格はありません。核燃料取扱主任者または原子炉主任技術者の資格を持った人の中から選任します。
六ヶ所再処理工場を例にとると、放射線取扱主任者(1種)及び核燃料取扱主任者が必須ということになります。冒頭、3種の神器と書きましたが、六ヶ所再処理工場では原子炉主任技術者の資格は特に必要ありません。原子力発電所も核燃料取扱主任者の資格は必要としません。したがって、3種の神器すべてを取得する必要性は現実的には薄れます。3つの資格全てを持っている方、私の知人に一人いますが、研究施設の方で、世の中でもレアな存在と思います。
ジェイテックは原子力事業者ではないので、上記の資格がないと会社事業が存続できないということではありません。しかしながら、放射性物質や核燃料物質を扱う現場で作業をしますから、そのための知見を持っておくことは有意義なことです。上記資格を有することで、専門的知見から業務を見られるようになるとともに、社内や客先をはじめとする社外の方からも1目置かれる存在になるでしょう。