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方針

2025年09月16日無意識でできるレベル

 物事を実行するとき、意識してもまだできないレベルなのか、意識すればできるレベルなのか、意識しなくても(無意識のうちに)できるレベルなのかで、ずいぶん違ってきます。

 スポーツの世界を例にとります。初心者は意識してもできないことが多い段階です。たくさん練習をして、できるレベルにまで引き上げることが必要になります。

 私が競技しているテニスを例にとりましょう。初心者の方は、ラケットの振り方から覚える必要があります。また、ボールが弾んで(ワンバウンドして)どのあたりまで飛んでくるかが、最初はわかりません。これを覚えて初めて、ラケットでボールをとらえ、相手コートに返すことができます。

 どのようにラケットを振ると相手コートに入りやすいか、どの打点で打つといいか、最初は試行錯誤です。でも、練習しているうちに、だんだんとコツがつかめてきます。そうなると、打ち方や打点を意識して打つようになり、確率が上がってきます。意識すればできるようになってきたレベルです。

 意識すればできるということは頭ではわかっているレベルです。でも、このレベルでは、まだ身体が十分に覚えていません。練習時はいいのですが、残念ながら試合ではあてになりません。試合になると、目の前のボールに意識が集中しますから、打ち方や打点を意識しながら打ち返すなんてことは、理論上は可能でも現実的にはまず無理です。試合で使えるようになるためには、身体に覚えさせ、無意識でもできるレベルにまで引き上げておく必要があります。

 実際、上級者は、意識しなくてもラケットを振りさえすれば、思い通りのところにボールを打つことができます。身体が覚えています。

 テニスを例にとりましたが、他のスポーツでも本質的には同じだと思います。ゴルフで、練習場では(意識して)できるのに、コースでは散々なんてことを経験されている方も多いのではないでしょうか。

 仕事の世界ではどうでしょうか。意識すればできるレベルでは、集中している間はできるでしょう。でも現実は、集中力が続く時間には限界があります。やはり無意識でもできるレベルにまで引き上げておく必要があると思います。

 特に安全・品質は、無意識でできるレベルに引き上げておきたいです。頭ではなくて身体で覚えているレベルです。

 当社では、階段の昇降時、手すりを必ず持つことを指導しています。先日、プライベートでも手すりを持つようになったと言っていた社員がいました。まさに身体が覚えているレベルと思います。何回も反復して身体に覚えさせた結果だと思います。

 過去、手すりを持たない社員を見かけ注意することがありました。その段階では、頭ではわかっているレベルだったと認識しますが、対照的です。

 身体で覚えると、いろいろなことに気付くようになります。不具合につながるようなちょっとしたことにも敏感に反応するようになります。小さいことからでも、コツコツと身体にしみ込ませることが大切です。



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