方針
2026年03月24日あいまいな語

「適切に対処します」「しっかりと行います」「善処します」「強固な組織体制にします」
例に挙げたこれらの言葉を耳にする機会は少なくないと思います。聞いていて、「そうだよな」なんて思うこともしばしば。耳障りもいいかもしれません。
「適切に」「しっかりと」「善処」「強固な」は、便利な言葉ですが、実務を行う立場からは、むしろ排除されるべき言葉のように思います。
なぜか。定義や判断基準があいまいなのです。
どのように何をすれば「適切」「しっかり」なのでしょうか? 「善処」とはどのような行為を指すのでしょうか? 「強固な組織」って具体的にどんな組織なのでしょう?
実際に実務を行う方からすると、何を成就すれば目的が達成できたのかがわかりません。同じ結果であっても、人によって、OKの人もいれば、Noという人もいるかもしれません。
また、基準があいまいな語を使って目標管理すると、管理自体があいまいになっていきます。
「対話活動をして意見が出しやすい職場風土を醸成する」という目標を掲げたとします。この場合、「意見が出しやすい職場風土」があいまいな目標に相当します。その判断基準は何でしょう。これを明確にしないままにすると、半期や期末の評価で、往々にして、対話活動を行ったことだけをもって主観的にその風土が形成されたとし、目標達成にするケースが出てきます。
このように、基準があいまいな目標に対しては、主観でいかようにも判断できることになります。このようなとき、厳しく×や△をつける方は少数派です。大体の方は、ちょっとでもその判断ができれば〇の成績にします。目標管理自体があいまいになる典型例です。
この場合、例えば、対話活動をいつまでに何回やるか、意見が出しやすい職場風土とは、アンケートを募って80%以上が〇とする、といった数値化ができれば、あいまいではなくなります。判断基準の具体化が必要です。
あいまいな語は、実務では排除されるべきと言いましたが、政治家の方針演説や、組織のトップからの方針を示す場合には使われることがあります。方針ですから、やるのかやらないのか明らかにする、やるならばしっかりやるというのはよく耳にします。
でも、この方針を達成させるべく、実務に落とし込むときは、あいまいな語は慎むべきです。定義や判断基準の具体化が必要になります。