時事
2026年07月28日緑の協力隊(11/E)

一連の活動を終えて帰途に就く前に、せっかくなので現地の有名な場所を訪問します。
大同市から西に20kmほどのところに、雲崗石窟(うんこうせっくつ)があります。世界遺産にも登録されている中国の仏教遺跡です。石窟とは、岩山や崖を掘って人工的に造られた洞窟状の空間で、多くは仏教寺院として壁面に仏像や壁画を施した宗教施設・遺跡を指します。雲崗石窟は、代表的な石窟の一つです。
崖の壁面にかなり大きな仏像(大仏)が複数あったのを記憶していますが、圧巻の迫力でした。日本にも多くの寺院がありますが、このような石窟は見たことがありません。地形も影響するのでしょう。中国内陸部ならではという感じがします。
現地では、もう一か所、日中戦争にまつわる遺跡を訪ねました。戦争関係の遺産ですから、負の遺産です。
万人坑と呼ばれます(現地では「ばんじんこう」と教わりましたが、WikipediaWeb百科辞典では「まんにんこう」とありました)。戦争当時、日本兵が押しかけ占領下に置かれます。多くの中国人が鉱山労働者として働かされ、かなりの過酷労働と疫病の流行で命を落としました。その大量の遺体が片っ端から投げ込まれた場所です。無名の中国人の白骨が何体も埋められています。
戦時中の大量虐殺として南京大虐殺が有名ですが、この地でも多くの中国人が犠牲になっています。中国国内には、万人坑と呼ばれる場所は複数あるとのことです。
私が使った歴史の教科書には載っていなかったと思います。もしかすると専門図書で初めて出てくるような場所かもしれません。もちろん、ネット検索ではヒットします。
雲崗石窟では、観光地を訪れて楽しいといった感じだったのに比べると、この負の遺産は対照的で、かなり雰囲気が重く感じられます。思わず合掌し、亡くなられた方の冥福を祈らずにはいられません。
また、現地の方々から言わせれば、日本兵からかなり非人道的なことをされたとの強い印象が残っています。反日感情は、戦争から80年以上経った今でも根強く残っていますが、この地で起こったような出来事が発端になっているとしみじみと感じさせられる場所でもあります。
お互いの「正義」があるといっても、やはり戦争は悲惨です。現代においても戦争が絶えない現実がありますが、戦争の悲惨さは忘れてはなりません。
現地での活動をすべて終え、帰途に就きました。電車で北京を経由し、北京から仙台まで空路の旅です。
途中、北京に着いた時、今回訪問した現地で雨が降っているとの情報を聞きました。現地は、雨はめったに降りません。訪問中も降りませんでした。とにかく水が貴重な地域で、雨は喉から手が出るほどの自然現象です。
まるで自分事のように、皆で大喜びしたことを思い出します。
(おわり)