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方針

2025年11月27日Do you speak English ? (2/2)

 小さい子供2人の家族連れ、海外では、絶好のカモに映るようです。ローマに旅行に行ったとき、小さい子供が話しかけてきます。実は、これ掏りの手口だと、ガイドブックには書いてありました。今回は、事前によく勉強してから行きました。

 このようなことが続くと、一種の人間不信に陥ります。中には本当に気さくに声をかけてくれる人もいるのですが、どうしても身構えてしまいます。

 ある時、家族4人の東洋人である私たちを見て、一見、優しそうな初老の男性から、声をかけられます。第一声は、
 “Do you speak English?”
 一見、人のよさそうな方です。本当に話がしたくて声をかけたようにも思えますが、こちらは少しでも危ない橋は渡りたくありません。話したいという思いよりこの場を離れたいという思いが強く出ます。
 “No, I don’t speak English.”
 即座に答えて、これで一件落着と思いきや、その初老の方からは次の一言。
 “Oh, you speak English!”

 初老の方も悟ってくれたようで、その場を離れることには成功しましたが、何とも矛盾だらけの会話をしてしまいました。

 Do you speak English? の会話で失敗したこともあります。フランス国内で鉄道に乗ろうとしたときに、その鉄道でよいかよくわからず、先に車内に乗ろうとしていた年配の女性に聞こうとしたときです。

 当時、フランス語もカタコトでは話すことができましたが、つたないレベルでも、まだ英語の方が会話のレベルは高かったので、できれば英語で話したいとの思いがありました。
 当時のフランス人は、最初から英語で会話するとプライドが高くて嫌われる傾向があるとも聞いていました。当時は、若い方はインターナショナルになっていて、英語は通じるのですが、ちょっと年配の方はプライドがありそうです。
 ここでの私からの第一声は、“Do you speak English?”ではなく、これをフランス語にした“Est-ce que vous parlez anglais?”(エスク ヴー パルレ― オングレー)。ちなみに、Est-ce queが疑問形を表す語、vousがあなた、parlezが話す、anglaisが英語の意味を持つ語です。

 フランス語から入ったのは、フランス人女性に慮ったつもりでした。私もこのくらいのフレーズならスラスラと話すことができます。でも、これが大失敗。手前味噌ですが、私のフランス語、日本のスクールで叩き込まれたこともあって、結構、発音がいいらしいのです。流暢な発音で、スラスラと言ってしまった結果、先方からは、「そんなに流暢にフランス語を話せるんだから、英語ではなくてフランス語でトライしなさい」と言われてしまいました。
 カタコトのフランス語で何とかチャレンジする羽目になりました。幸い、事なきを得ましたが。

 Do you speak English? 私の中では奥の深い言葉になっています。



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