方針
2025年11月11日やめる勇気

業務上、何かおかしい、よくわからない、違和感がある、といった場合は、よく立ち止まれと言われます。立ち止まって確認、特に原子力職場では安全確保の基本とされています。
ちょっと前までは、「業務を進めたい・進めなくてはならない」という考えと、「立ち止まるべき」で、葛藤状態となり、立ち止まる勇気を持とうという話が横行しました。その時に比べると、今は立ち止まる方がむしろ当たり前の雰囲気が醸成され、昔ほどの勇気を持たなくても、立ち止まることができるようになってきていると思います。
もちろん、場面によっては、立ち止まる勇気が必要な場合も、まだ存在します。
業務ではなく、プライベートではどうでしょうか。似たような状況に出くわすのが、スポーツをやっているときです。年齢を重ねると身体のどこかに故障の兆候が現れます。
私は硬式テニスをやっていますが、故障の一つにテニスエルボーがあります。若い時分には発現しなかったのですが、歳とともに経験するようになります。このテニスエルボー、最初はちょっとした痛みで、日常生活に支障はないし、テニスを続けても、簡単に我慢できる程度の痛みです。サポーターをすればプレーできます。
でも、テニスエルボー、実は特効薬はありません。医者に行っても「テニスをやらずにとにかく肘を休ませること」と言われます。
テニスエルボーを感じたとき、テニスができるくらいの痛みがあるうちにテニスを休めば、1週間や2週間もすれば十分に回復します。でも、まだできるとして続けてしまうと、痛みはさらに増大していきます。いよいよ痛くなると、テニスどころではありません。その時点では、半年から1年の休養が必要なんてことにもつながります。
テニスエルボーは、ひどくなると、実生活にも支障を来すことがあります。バックハンドを打つ時に痛いときとフォアハンドの時に痛いときとに分かれます。バックハンドで痛いエルボーは、実質的に私生活に影響はありません。でもフォアハンドエルボーになると大変です。パンツやズボンが痛みであげられなくなります。侮れません。
ちょっとした痛みを感じたら、やめることが大事になります。でも、ちょっとした痛みでやめられるか? ここでやめれば短い期間での回復が望めます。結論から言うと、やめられません。好きでやっていることは、そう簡単に諦められません。
「やめる勇気を持とう」テニス関係者の合言葉です。勇気がないとやめられない。テニス以外にも当てはまる、心にしみる言葉です。