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方針

2025年03月27日「どうしたらいいでしょうか?」

 「どうしたらいいでしょうか?」時折、このような質問が飛んでくることがあります。その質問者は、とある案件で悩んでいます。そのようなときに、解決策を求めて、上長にそのような質問を投げられます。

 この質問、実は、上長の立場でも回答に迷うことが多いです。迷うというのは2つのケースがあります。

 一つは、上長の立場からすると回答自体はそれほど難しいものではないケースです。即答はできます。でも、ここで即答することが質問している当人のためになるか否かです。例えば、本人が言われたことをやるだけの作業を期待されているような場合、パートの方などが該当することが多いと思いますが、即答することに迷いは生じません。でも、社員など、今後の成長を期待したい場合は、単に回答を求めてくるのではなく、自分なりの考えをぶつけてほしい、それが今後の成長の糧になる、こんな思いが働きます。そのような場合は、即答してよいかは迷います。どうしても時間がなくて、即答しないと問題が大きくなるといったような場合は別として、多分に「あなたはどう考えますか?」と投げ返すでしょう。

 もう一つは、確認事項が多く、回答自体が即座に浮かばないケースです。この場合、事実関係の確認から入らなければなりません。どのような状態で、何が起こって、決まり事は何で、いつまでにどんなことをやらなくてはならないのか、等々です。多分、この確認で結構な時間がとられます。その結果、もう少しこういった観点での確認を加えてほしいなんて結論になることもあるでしょう。

 この場合、「どうしたらいいでしょうか?」ではなく、「こうしたいと考えますが、それでよろしいでしょうか?」「こう考えましたが、ここで悩んでいます」のように質問されると、実は、解決策も見つけやすくなります。上長からの確認事項が、事実関係の確認というよりもなぜそのように考えたかの妥当性やなぜ悩んでいるかにフォーカスされます。確認がスムーズに進みやすくなるのです。

 実は、この「どうしたらいいでしょうか?」という質問、管理職など、自身で判断する立場を経験された方はめったに使いません。上述の2つのケースを上長の立場で経験しているからです。若い方をはじめとして、その経験に乏しい方が使われることが多いです。

 どちらのケースも、結局は、単に「どうしたら?」と投げるのではなく、自分自身の考えを正解か否かにかかわらずぶつけてほしいということになります。それが、自身の成長につながるとともに、解決策を円滑に導く秘訣にもなります。



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