趣味
2024年05月28日地球最強の生物

現状で地球最強の生物は?と聞かれて、ゾウやライオンなどの大型動物、生命力の強いネズミやゴキブリを挙げる人がいるかもしれません。しかしながら、地球最強の呼び声が高いのは「クマムシ」だと言われます。
クマムシは「ムシ」と名が付くものの昆虫ではなく、それだけで緩歩動物門という独自のグループを形成している生き物です。体長50マイクロメートルから1.7ミリメートルの微小な動物で肉眼では確認しにくく、しかしながら、熱帯から極地方、超深海底から高山、温泉の中まで、海洋・陸上(陸水)のほとんどあらゆる環境に生息しているそうです。
クマムシは、多細胞生物としては非常に大きな耐性強度を持つことが知られています。
その特徴として有名な耐性は乾燥であり、通常は体重の80%を占める水分を3%以下まで減らし、極度の乾燥状態にも耐えことができます。この状態は乾眠と呼ばれ、代謝をほぼ止めた乾眠個体は、他の過酷条件にされた後も水を与えれば再び動き回ることができます。
資料により記載が様々ですが、クマムシはこの乾眠状態で、以下の耐性を示します。
・摂氏マイナス200℃下回るほぼ絶対零度に近い極低温から摂氏151℃までの温度に曝されても耐えられる。
・真空から75,000気圧、地球の最深部の深海での圧力の6倍もの圧力に耐えられる。
・高線量の紫外線、エックス線、ガンマ線等の放射線に耐えられ、エックス線の半致死線量が人では4グレイなのに対して、3000~5000グレイである。
寿命は半年ですが、これほどの耐性を持つとなれば、乾眠状態での長期生存が可能で、130年という記録もあるとされます。
また、耐性の実証のために、拳銃弾よりの射出に耐える実験をされたり、宇宙空間に10日間直接さらす実験をされたり、さらには月探査機に搭載され結果的に着陸に失敗して、この事故を生き延びている可能性があるか否かが議論されていたりしています。
これだけの耐性を示すことについては、乾眠に至る速度をある程度確保する必要があるものの、極めて生命力の強い生物であると言えると思います。
でも、クマムシ本体を見つけることができたら、強いと言ったところで、指でプチっとしてしまえばやはり死んでしまうので、そういう意味での強さではない残念さはあります。