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方針

2026年08月13日上司のけんか

 私がまだ20代後半の頃です。当時は東京勤めで、許認可関係の業務を担当していました。デスクワークが中心の業務です。

 部・課内の体制は、部長-副部長-課長-副長-担当となりますが、当時の部長は所掌範囲がかなり広く、実質的に副部長がライントップの体制です。また、主任という役職がまだなかった時代だったように記憶しています。
 当時の私は、まだ20代の若手でしたから、体制の中でも末席に位置します。ライン体制は一応はありましたが、必ずしも副長から業務が降りてくるというわけではなく、時には、課長や副部長から直接の指示が飛んできます。今、考えると、よく言えばフレキシブル、悪く言えば業務によって責任体制が変わりますから、責任があいまいになりやすいやり方であったと思います。

 あるとき、副部長がかなり多忙なようで、担当の私の手を常時借りたいということで、私への直接の指示が集中するときがありました。担当者の私からしてみれば、上から降りてきた仕事なので業務命令として受けることになります。その業務を行う必要性も感じていましたし、マンパワー的にも捌ける分量でもありました。また、これまでも副部長からの直接の指示で仕事をすることは珍しくありませんでした。

 でも、私の労務管理をするのは副部長ではなくて、課長です。その観点からは、副部長が課長に私を直接使うことを前もって相談するべきなのでしょうが、時々、相談抜きで業務が飛んできていたようです。
 まぁ、良し悪しは別として、当時の組織の雰囲気からは、そんなことは当たり前のように行われていたように感じています。副部長はプロパー社員、課長は電力からの出向社員で、副部長の方が組織に長く在籍しているという背景もあったのだと思っています。

 とあるとき、ある業務について、課長はその必要性に疑問を持ったらしく、副部長と言い合いになりました。でも、既に、副部長から業務指令が私に出ています。
 言い合いは収まる気配がありません。そのさなか、必要性に疑問を持った課長から私に指令が飛びます。
 「鈴木君、その業務はやらないように」
 ストップ指令です。でも、間髪入れずに副部長から指令が飛びます。
 「鈴木君、そのまま続けて」

 私からしてみれば、ラインの2人の上司から真逆の指令を受けたことになります。「私は、どうしたらいいんでしょう?」率直に思いましたが、問い返してもまともな回答が出てくるような雰囲気ではありません。

 どちらの指令に従っても、わだかまりが残ります。私にとっては最悪の状況です。どうせ最悪ならということで、結局、必要性を私自身が判断することにしました。というか、そうせざるを得ませんでした。
 ちなみに、業務継続の判断をしたので、しばらく、課長とはギクシャク感が残りました。

 責任体制・指示命令系統のあいまいさが引き起こした事例と思っています。後にも先にも、これ1回で済みましたが、当時、このような経験は、2度としたくないと思いました。
 また同時に、将来、部下には同じ思いをさせたくないとの強い感情が生じたことを覚えています。
 



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