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方針

2025年04月24日刈り取りの重要性

 何か新しいことを行う時、不具合が起こって再発防止を行う時など、新しい決め事を定め、展開したりします。ルールに定めなくても、期間限定の場合など、「◇◇までの間、〇〇を行ってください」のように、運用で行うこともあります。

 社内でも、だいたい取りまとめ部門が検討し、確認をとって、それぞれの部署に展開します。このとき、こう決めたのだから、あとの展開はそれぞれの部署に任せておけば大丈夫、こう対処することはないでしょうか。
 
 社内ルールに定めて展開する場合は、ある意味、社内で法律ができたことに等しいことになります。守らなければ不適合です。でも、運用でまかなっているとき、やることが十分でなくても不適合にならない場合があります。その場合は、不適合管理のシステムでは検知できないことにつながります。

 運用といってもルール的なことを決めたのですから、それを守るのは当然で、それを展開する各部署の仕事、各部署の管理職の責任ということになります。でも、だからといって取りまとめ部門が各部署に投げっ放しにすると、往々にしてやってなかった、やっていてもただやるだけで趣旨を理解してやっていなかった、なんてことが起こる場合があります。

 経験上、やらなくてはいけないけど、他にやるべきことがあって、後回しになっている、とにかくやればいいんでしょといったことが背景にあることが多いです。このようなとき、やらない、または中途半端にやることによって、それに基づく不具合が発生することがあります。不適合の再発防止対策の場合は、その不適合が再発する、こんなことが起こります。不具合が発生して初めて、やっていなかったこと、中途半端にしかやっていなかったことに気づくわけです。

 この時、やることを決めた取りまとめ部門は、往々にして、以下の態度をとってしまいます。
 「決め事をやらないのは何事! 責任者(管理職)は何をやっているんだ」

 もちろん、一義的な責任は、不具合を起こした部署側にあります。でも、その部署も論理上はやることの重要性を理解していることが多いです。でもうまくできない何かがあったのです。それを正論のみで叱咤しても、その部署の悩みは残ったままです。状況は本質的に変わらない可能性があります。
 
 取りまとめ部門も、不具合が起きて初めて気づくのでは遅すぎます。実はその芽はあったはずなのに、気づかなかったことになります。気づく対応をしていたか、ここも重要です。
 
 ルール的なものを決めて運用で展開する場合、決めた後のフォローが大事ということになります。いわゆる、その後の「刈り取り」です。各部署がどのように展開しているか、適宜、確認して共有です。

 刈り取りをされると、対応する部署も、適宜、説明責任が発生しますから、おのずと業務のプライオリティをあげざるを得ません。それでもうまく実施できないときは、その理由や背景が早期に共有され、不具合に至る前に解決策を議論することができます。そもそも、決めたことが現場の実情にマッチングしていなかったなんてこともあるかもしれません。
 
 「刈り取り」を行って、必要があれば早期に改善する。この対応が重要です。



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