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方針

2024年06月04日進化の過程

 今春、東京上野にある国立科学博物館で「哺乳類展3」が開催されていて、これを観に行ってきました。今回の哺乳類展のテーマは哺乳類の分類で、その詳細度には圧倒されるものでした。そうでなくとも、会場に動物のはく製がぎっしりと並んでいて、その様子は実に壮観で、それだけでも観る価値のあるものでした。

 それらの展示には、様々な観点での説明や関連する動画解説などがあったのですが、それぞれに難しい内容が多く、しっかり理解できないものも沢山ありました。多くの展示を展示タイトルだけで展示物と見ていく中、比較的単純に目に入りやすかった説明も僅かにあって、そこで驚かされたのは、進化の過程に関する展示説明です。

 それによると、『最近では、両生類のなかに陸上で産卵するものが出現し、その卵に羊膜と呼ばれる胚の保護膜を持つものが、哺乳類の祖先にあたる「単弓類」と爬虫類の祖先である「竜弓類」に進化したと考えられるようになった』とのことでした。難しい用語や表現をすっ飛ばして言い換えると、哺乳類は両生類から、爬虫類も両生類から独立して進化したということを意味しています。私は学校で、魚類から両性類、両生類から爬虫類、爬虫類から哺乳類に進化したと習ったと思いましたが、皆さんも同様ではなかったでしょうか。

 哺乳類は爬虫類から進化したものではないということは、私にとっては結構衝撃的で、自分の親が実は親でなかったとまでは言いませんが、自分の信じていたある種のルーツが違っていたという点で大変驚かされました。

 自分が信じていたことが翻されたことは、かつて冥王星の扱いが変遷したことでもありました。小学生の頃に水金地火木土天海冥と、太陽系の惑星を太陽から近い順に覚えていたのが、公転軌道の違いで、ある時から水金地火木土天冥海になり、そして次には冥王星が惑星でなくなって、冥が消えてしまったという一連の出来事は、太陽系の惑星を全部知っていると身内に自慢げに語っていた過去が否定された感じでした。

 このように過去に学んだ自然科学の中で、しかもかなり誰もが正しいと思い込んでいるような基本的な内容が変わったりすると、びっくりするものです。

 常識が常識でなくなることがあり、普通が普通でなかったと分かって、ある時考え方を変える必要があることが、こんなところにもあるくらいなら、我々の身の周りでも何も疑わないでいることの危うさは、常に持ち続けたいものだと思います。



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