方針
2025年01月07日ポテンヒットゾーンの発生の仕方

過去に「ポテンヒット」というブログをあげています。内容を要約すると、お互いの役割分担を具体的に確認せずに行った結果、お互いがあちらの領分だと認識するなどし、結局、誰もやらない領域が存在するというものです。業界では野球に例えて、この領域をポテンヒットゾーンと呼びます。ポテンヒットゾーンは発生させてはいけません。
組織やプロジェクトが大きくなればなるほど、ポテンヒットのリスクは増します。ポテンヒットゾーンの発生の仕方は、これまでの経験上、以下のようなものがあります。
一つはこれまでの慣例に頼って、○○さんのところがやっているものと思い込んだ結果、発生していた事例です。この慣例が、組織の役割に沿ったものであればよいのですが、時々、組織の役割を超えたものであることがあります。本来は、〇〇さんのところの役割ではないようなケースです。多忙な組織の代わりに〇〇さんのところが受け継いだ経緯がありそれが継続される場合などが該当します。肝心の〇〇さんのところが、この案件に限っては組織の役割からして自分のところではないと認識した途端、周りは(自分の役割は横に置いて)これまでの慣例の延長で○○さんのところがやってくれていると認識していますから、ポテンヒットゾーンが生まれます。小さい組織であると、コミュニケーションがとりやすく早く気づきやすいですが、組織やプロジェクトが大きくなると、気づかすに放置されるケースが出てきます
もう一つは、誰がやるのか明確に決まっていないときに、お互いがあちらの仕事と球の投げ合いをはじめ、ほったらかしにされるケースです。これも、大きなプロジェクトほど発生しやすくなります。お互いが忙しく、余裕がないときは、なお更、あちらの仕事と主張し合います。感情論に発展することもしばしばです。
実務レベルで争っている状況が、本来、役割を決めるべき責任者に伝わっていないケースは最悪です。実務者が責任者の◇◇さんが決めないのが悪いと思っていても、肝心の◇◇さんはしっかりやっていると思っていたりすると、誰も何も動きません。実務者のフラストレーションばかりが溜まります。
ある意味、かなりの関係者が確信犯的にポテンヒットゾーンを作り、放っておく構図となります。往々にして、責任は自分にはないとかなりの人が(感情的に)思っているケースですが、実はかなりの方が無責任に該当します。
双方のケースとも、当然のことながらプロジェクトの成功は見込めません。これでは、各人が何のために仕事をやっているのかわからなくなります。
大きな組織、大きなプロジェクトになるほど、一つ一つの業務プロセスごとに5W2Hを具体的にあてはめ、共有して進めることが求められます。プロジェクトの責任者は日ごろから、誰が何をしているか具体的に把握し、5W2Hを絶えず明確にすることが必要です。実務者もあいまいと感じた段階で、責任者に判断を仰ぐことが必要になります。
(参考)2024年8月22日「ポテンヒット」
https://www.j-tech66.co.jp/blog/?sc=240822_100611450&pn=3