方針
2024年10月31日目標にしてはいけないこと

ネットでこんな記事を見かけました。複数の有名な会社の社長さんに、「どうやったら、こんな立派な会社の社長になれますか?」と問いかけた記事です。記事の概要は以下のとおりです。
『多くの社長から似通った返答がありました。
「それは、社長を目指さないこと」
社長になりたい人を社長にしてはいけない、と語っていた人もいました。理由は単純で、社長がゴールでは困るからです。社長というポジションは、ある意味「ツール」です。社長になって、この会社をこれからどうしていくか、ということこそが求められるということです。
社長を選ぶ方も「社長になりたい」という人を果たして社長にするでしょうか。それよりは「社長になって会社を引っ張ってくれる人」「社長になって何かをやってくれそうな人」を選ぶでしょう。
これは、社長に限らず、取締役でも部長でも課長でも同じです。取締役や部長や課長になることがゴールでは困ります。そのポジションを通じて何をしたいか。何ができるか。それこそが問われます。』
言われてみれば当たり前のことです。記事では、役職はある意味「ツール」と記載していましたが、「ツール」に魅力があってもそれを目標にしてはいろいろなところに亀裂が生じます。昇進に対する評価ばかり気にして、いわゆる「点取り虫」になってしまうと、自身にとって良くないばかりでなく、往々にして組織に悪影響を与えます。
評価者の観点から述べると、私もこれまで、部長や課長の昇進人事に携わったことがありますが(さすがに社長人事に携わった経験はありません)、例えば、部長・課長になってどんな職場を形成し、どんな成果をあげてもらえそうか、プレッシャーに耐えられるかといったことをイメージします。
記事ではこんな事例も紹介されていました。ある有名企業の社長を務められた方の成功体験です。
『自分が一つ上のポジションにいたらどう考えるか、といつもシミュレーションしていた。
平社員時代は、課長の立場で仕事を眺める。課長時代は、部長の立場で仕事を眺める。一つ上のレイヤーから見ていく。課長だったらどうか、部長だったらどうか、と考えてみる。それが思考のトレーニングとなり、どんなテーマについて上司に聞かれても、いつも答えが用意してあった』
なかなかできることではありませんが、こんな部下がいたら、頼もしいです。でももしかすると、上長はかなり突き上げられるかもしれませんが。一般的に、職責をしっかりと果たす方は優秀と言われますが、さらに優秀と言われる方は、その職責を果たすだけでなく、1つ又は2つ上の役職の領域まで考えて行動します。
もっとも、最近は、役職者になるとかえって大変で、役職者になりたくないと思う方が増えてきているのも実態です。組織としては、役職者は必要なポストであり、そのような状態をどう改善していくかは今すぐにでも解決したい悩みです。
(参考資料)
上阪徹、社長になった人たちが口をそろえて言う「目標にしてはいけないこと」とは?、2024.8.13