方針
2022年12月15日働く理由と利他の心

稲盛和夫氏が座右とした利他の心について、私なりにさらに触れたいと思います。
そもそも働く理由は何でしょうか?
そこには5つの動機の段階があると言われていて、それは①お金、②承認、③成長、④共振、⑤使命でとして、以下のように言い換えられます。
① 金銭的動機:生きていかねばという自分
② 承認的動機:認められたいという自分
③ 成長的動機:伸びていきたいという自分
④ 共振的動機:他と結びつき分かち合いたい自分
⑤ 使命的動機:大いなる意味を満たしたい自分
概ね①~③に至る範囲での動機づけでは利己的なものが残っているとされ、通常①→③へと動機を見出すように成長していくことが普通なのですが、中には逆に③→①へと嫉妬や生活維持の力が勝って逆方向に働く方もおられます。
さらに、→④→⑤に向かうと自己中心が小さく閉じた状態から世の中へと大きく開くと同時に、利他的な側面が大きくなり、会社で言うと設立趣意、経営方針や地元・社会貢献へと意識が持てるようになります。
ここで、⑤使命的動機を見出して進むことになれば、その人には「シャワー効果」と呼ぶべき、⑤→④、⑤→③、⑤→②、⑤→①という他の動機が順に喚起され、自然に満たされるということが起こると言われています。
具体的には、⑤使命的動機を見出したテーマから…
そのテーマに共振する仲間と深い繋がりができる(④共振的動機)
そのテーマを成し遂げるための能力向上、発揮が起こる(③成長的動機)
そのテーマの仕事が他の人の耳目を集める(②承認的動機)
気が付くと必要なお金(生活資金)が得られている(①金銭的動機)
という具合です。
当社であれば、自社の利益だけに執着する(利己の心に取り付かれる)のではなく、地元貢献、親会社、エネルギー政策などの利他の心を持って働く理由となれば、ただ食べていく、儲けるためだけの理由よりも多くのことを得られるのではないかと思います。
参考:『働き方の哲学』、村山哲、ディスカヴァー・トゥエンティワン