方針
2023年07月13日考え方で幸いするか

同じ出来事によっても、その受け止め方が異なることはよくあると思います。
「ユダヤ人は足を折っても、片足で良かったと思い、両足を折っても、首でなくて良かったと思う。そして、首を折れば、もう何も心配することはない。」
ここで言えることとして、「失ったものを数えるな。残っているものを数えよ。そして、残っているものがあることに感謝し、それを最大限に活かそう。」という精神は大切です。何か上手くいかないことがあっても、その程度で事が済んでいる幸運をかみしめる方がよほど生産的です。
一方で、「人間万事塞翁が馬」という話もあります。
昔、中国のとある老人(塞翁)の馬がいなくなり、人々が気の毒がると、その老人は「なに今に良いことがあるよ」と平気だった。
やがてその馬は駿馬を連れて戻ったので、人々が「良かった、良かった」と祝うと、「こんどはこれが不幸の元で、なにか悪いことが起こるかもしれない。」と喜ばなかった。
案の定、その馬に乗った老人の息子が、落馬して足の骨を折ってしまい、人々が見舞いに行くと、老人は「これが幸福の元になるだろう」と平気だった。
その後隣国から軍が来て戦争となり、健常な若者たちは戦地に連れていかれてほとんどが戦死したが、足の骨を折った息子は、兵役を免れて生き延びた。
長く会社が続けば、良いことも悪いこともあるでしょうが、それらをすべて一旦受け入れて、淡々と進めることが肝要で、業績に一喜一憂しない姿勢も大切です。
これは、人生でも同じで、固定的なものでなく流動的なものについては、いつ幸福が不幸に、不幸が幸福に転じるか分からないことから、目先のことだけでなく長い目で見ることも大切だと思います。
参考:『座右の寓話』、戸田智弘、ディスカヴァー・トゥエンティワン