方針
2023年11月28日問題と現実

先ずは、次の単純な問題を答えてみてください。
「300円を持って、140円のパンを買いました。もらったお釣りは幾らだったでしょう?」
これを300-140=160と頭の中で数式化して、160円と答えたあなた、現実世界から乖離しています。
財布の中にある300円を想像してください。
その場合、140円のものを買う時に、300円全額を店の人に出しませんよね。
はい、気が付きましたか、100円玉2枚出して、答えは60円です。
というのも、早計です。
300円の内訳は、100円玉ばかりとは限りませんし、答えも一つとは限りません。
ただし、問題に「もらったお釣りは」と言っている以上、お釣りをもらっていることが条件なので、10円以下の硬貨が入っていることでお釣りのない条件にするのは、問題に合いません。もちろん電子マネー等で払ったので、お釣りなしというのも回答にはなりません。
そうすると、300円の内訳に50円玉が入っている場合を考えればよいので、答えには10円ということもあり得ます。
ということで、正解は60円又は10円になります。
因みに、値切った場合も考えると、さらに正解が増えますが、流石にそれは…
かように、算数のように答えがきちんと出ることも、現実に沿わせて考えると、計算式通りにならないこともしばしばです。
以上は、算数の世界か、そうでない現実かでお話しましたが、人間関係や会社の関係性を踏まえると、さらに簡単に物事が片付かない現実も多くあります。また、たった一つの文章であっても、よくよく文意を解釈できないと、誤解を招く(勝手に解釈される)可能性も否定できません。
できるなら単純で、複数の文意にならない方が分かりやすくて良いのですが、そうはあってもきちんと伝わらなかったり、そうはなっていないことだったりも、世の中には多くあります。
そんなところを狙って、悪意ある人や組織が近寄ってくることさえありますので、資料、報告書、仕様書、契約書など、書類の文章表現は大切に考えましょう。