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方針

2025年02月27日レンガと塀と大聖堂

 新入社員研修などで、よく使われる題材です。 
 レンガ職人が働く現場で、そのレンガ積職人に「あなたは何をしているのですか」と尋ねます。
  1人目の職人は、「私はレンガを運んでいます」
  2人目の職人は、「私は塀を作っています」
  3人目の職人は、「みんなが祈りを捧げるための大聖堂を作っています」

 私がこの話を講師から伝えられた時の趣旨は、「視野を広く持とう」でした。目先の作業だけにとらわれず、その背後にある目的や成果、本質をとらえよう、こういうことだったと思います。

 モチベーションは誰が一番あがるかということにこの題材を使っていた記事を読んだこともあります。単純に(と言っては失礼かもしれませんが)レンガを運んでいる方、完成した塀を思いながら作業している方、大聖堂が完成し皆が祈りを捧げ幸せにしている姿を浮かべながら作業している方、誰が一番モチベーションが上がるでしょうか。この答えは論を待ちません。背後にある目的や成果、本質をとらえれば、モチベーションが上がり自立的(自律的)に振舞えるようになる、ということです。

 今は、分業制が進んでいる時代です。前出の大聖堂の例をとっても、大聖堂全体の設計をする方、大聖堂の建設にあたって、役割分担を決め全体を指揮する方、決められた役割分担に基づき作業を行う方など、それぞれに分かれます。社内だけで分業することもあれば、それぞれの役割を違う組織(協力会社)に頼むこともあります。

 また、若い人をはじめとする経験の浅い方は、最初は簡単な仕事から役割分担され、徐々に難しい業務にシフトしていく、こんな経緯をたどると思います。目先のその仕事をきっちり仕上げその時の役割を果たすことは、とても重要なことですが、一方で、いずれ来るであろう難易度がアップする業務を見据えて、最終的な目的や目指すところはどこか、これは意識しておきたいところです。

 当社の業務に当てはめると、親会社をはじめとする発注者の依頼があって当社の業務が成り立ちます。その内容も機器の保修や運転が主です。サイクル施設全体からすると、一部を分業しています。もちろん、頼まれた保修や運転そのものの業務でしっかりと成果を残すことが重要なことは言うまでもありません。

 一方で、上記の例に照らした場合、その先にある、施設の安全・安定操業、またそのもっと先にある、原子燃料サイクルの確立、こういったことも見据えて進めていくことが重要です。そのような組織文化を維持したいと思っています。



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