方針
2025年01月28日なぜ働くのか、なぜやるのか

高校1年生の時、朝のホームルームで担任の先生がこんな話を始めました。
「人はなぜ働くのか。どのようなときにやる(行動する)のか?」
高校1年生なので、社会に出て働いた経験はありません。でも、両親からはさんざん、生活するために働いてお金を稼がなくてはいけないと教えられてきました。「働かざる者、食うべからず」に加え、当時の両親からすると、戦後を経て、昭和の高度成長期の時代に差し掛かっていましたから、貧乏から裕福へが一番の関心事だったような気がします。
したがって、冒頭の問いを担任の先生になされたとき、私の頭の中で、すぐさま次の回答がよぎりました。
「当然、お金をもらうために働くに決まっている」
でも、先生の答えはこれと同じではありませんでした。40年以上も経って、当時の担任の先生の言葉を覚えているのですから、少年として、かなり斬新に感じたのだと思います。
先生の説明は、
「まず第1に、やりたいからやる、好きだからやる。やりたいから、好きだから働く。自分の意志でやる。これが一番の状態。」
「そして2番目。規則やルールだからやる。決められたことだからやる。」
「3番目は、お金のためにやる。お金がもらえるから働く。」
最初に私の頭によぎった答えは、3番目でした。先生の説明はまだまだ続きます。
「4番目は、みんながやるからやる。」
当時は、何の疑問もなく聞いていましたが、今、考えると、これは外国人には当てはまらないかもしれません。日本人に特徴的な国民性のような気がします。
「最後の5番目は、強制。一番残念なやり方。」
5つの答えがあったわけですが、今、振り返ると、最初の1つだけが自由意志によるもの、あとの4つは、責任感や義務感が強く出ているように思います。
また、会社に入社した際、当時の副部長からこんなことを言われたことを思い出します。
「会社に入ると、いろいろな(大変な)ことがある。でもやらなくちゃいけない。どうせやるんだったら、楽しくやろう。「仕事は楽しく!」だ。」
高校の担任の先生とは毛色の違った言葉ですが、責任感・義務感ではなく、自分の意志でやることで仕事も楽しくなるという点では、高校の担任の先生の言葉ともつながっているように思います。
楽しみを見つけて、自分の意思を絡めながら、仕事を進める。これができたら素晴らしいと思います。現実的には、かなりのチャレンジと思いますが、皆さんと一緒にそんな組織・文化を構築できたらと思います。