方針
2025年01月16日メールで気をつけること

コミュニケーションツールとして、メール機能は不可欠なツールとなっていることは、ご承知の通りです。メール、本当に便利だと思います。一度に情報を大勢の方に送ることができます。また、送付文だけでなく、ファイルを添付することで、一度に共有できる情報の量も格段に多くなります。一時代を築いた電話と違って、情報のやりとりに特定の方を時間的に拘束する必要もありません。最近では、メールに加えて、掲示板等もツールとして活用されています。
でも、この便利なメール、注意するべき点はないのでしょうか。
一つは、情報セキュリティです。誤送信等、日常からかなり気を遣っていると思います。情報セキュリティに関しては、e-ラーニングなどで日ごろから学習を繰り返していますので、ここではこれ以上述べません。
もう一つは、伝えるツールとしてはピカ一なのですが、伝わるツールとしては、結構、神経を使う代物であることです。伝えているのに伝わっていない、これまでの経験上もよくあるケースです。
典型的なのが、相手がそのメールを読んでいない場合です。最近では、メールを送れば相手は読むのが当たり前という雰囲気がありますが、それでも、読まれていないケースは度々起こります。相手が多忙で読む時間が取れない、相手のメールの受信数が多くて、こちらから送信したメールが埋もれてしまって気づかれていない等、いろんなケースが考えられます。かつての私の上司は、「すまんが、10,000件のメールの内、5,000件しか読めないんだ」と表現していました。もちろん誇張表現ですが、理解しやすかったです。重要なメールほど、直接、または電話で確認するなどの行為が必要になってきます。
また、メールは口語ではなくて文書です。伝えたいことを文書にしないといけません。口語と違って、感情的なことは表しづらいです。上からの命令等に基づく強い口調での「お願いします」も、申し訳なく思いながらの「お願いします」も、文字にすれば一緒です。絵文字が使えればいいのかもしれませんが、かなりカジュアルになりますので、ビジネスメールには不向きでしょう。
例えば、期限が近い依頼文の場合、書き手が申し訳なく思い、
「期限がなく、申し訳ありませんが、明日までにお願いします」
と書いたとします。申し訳ない気持ちは表現したつもりです。ても、受け手は命令口調に捉え、明日までとは何だ!、非常識だとムカッとするかもしれません。
「こちらの事情ばかりで、期限がなく、誠に申し訳ありません。どうぞ、状況をお汲み取りいただき、ご理解の上、ご協力をお願いできれば幸いです。なお、難しい場合など、相談させていただきますので、ご連絡ください。」
このくらい書かないと、申し訳ない気持ちも伝わらないと思いますし、相手も納得しないかもしれません。まだ、これでも足りないかもしれません。が、ここまで書けるようになるには、結構な経験と文書力が必要になります。それくらい、文書表現で相手に意図を伝えるのは難しいということです。
こういった時は、対象者のところに行って(または対象者に集まってもらって)直接頼んだ方が、うまく伝わることが多いです。
最近では、隣人にまでメールでやり取りというケースも少なくないと思います。私自身は、記録に残す意図がある場合は別として、隣人くらい、直接コミュニケーションをとったら?と思いますが、現代社会では、これはこれで否定されるべきものではないのでしょう。
デジタル化に伴うツールの長所、従来の人対人の長所、これらを織り混ぜて使うことが重要と思います。