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方針

2024年03月28日ディルバートの法則

 このブログでピーターの法則(2024.3.5 ピーターの法則)をお話したことがありましたが、せっかくなので標題の法則も。

 ディルバートの法則はピーターの法則のひとつの変化形とされています。ピーターの法則では、「現在の地位で有能さを示す者から長所を奪い取る手段として昇進が用いられている」という、階層型組織(企業や政府機関など)の傾向が述べられていて、さらにその結果、「有能だった者は不適当な地位に昇進し、そこに無能者として留まる」ともなります。

 一方、ディルバートの法則では、「無能な者は害(製品の品質低下、顧客の機嫌を損ねる、他の従業員を不愉快にするなど)をなさないように意図的に昇進させられる」とします。本法則は、「(ある条件下では)組織の上層部は実質の生産にほとんど寄与しておらず、大部分の現実的、生産的な仕事は下層部の人々によってなされている」という考えに基づいており、同一の組織内でピーターの法則が同時に成立することもあるとされます。

 この法則は、元はと言えば、アメリカ合衆国のコマ割り漫画『ディルバート』の作者スコット・アダムスが述べた1990年代の風刺的見解です。アダムスは、同名の著書の中で本法則を発展させ、この本はいくつかの経営学修士(MBA)または管理職のためのコースで必修または推薦図書となっているそうです。 アダムスはこの本の中で、「効果的と言う意味では、ディルバートの法則を使うことは、ゴリラの群れを率いる第1位のオスを選び出すのと同種のことである」としています(私にはちょっと意味が良く分かりませんが、群れのボスが生産性に関与していないのは何となく分かります。)。

 この法則は伝統的な人事労務管理のやり方とは矛盾するので、学術的には正確さを欠くとされるかもしれませんが、風刺の形をとりながらもビジネスの世界で長きにわたって議論されてきた話題だそうです。

 当社に限らず、最近の日本の組織では上層部(管理職)が直接生産性に関わる業務を行うプレイングマネージャーの側面が大きく、ディルバートの法則が完全には当てはまらないと思いますが、一部でかつ風刺的ではありながら、こんな捉え方もできるという理解です。



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