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方針

2024年03月05日ピーターの法則

 ピーターの法則とは、アメリカの教育学者ローレンス・J・ピーターが提唱した法則で、能力主義の階層社会で昇進した人材が無能化してしまうメカニズムのことです。

 分かり易く言うと、組織では「人は無能になるまで昇進する」という感じでしょうか。

 一般的に昇進する前の段階では、そのクラスにおいて経験、実力とも十分な評価があった後に昇進するのですが、昇進した後の段階でも、同じようにそのクラスにおいて経験、実力が十分になると次に昇進するということを繰り返していきます。

 そこには実力ではなく、運や上のクラスの人からの引きがあって昇進する場合もあるでしょうが、あくまでも一般的には、の話です。

 すると、人間にはそれぞれ得手不得手や能力の限界、求められている方向性と気質との違いなどがあって、それまでと同じように昇進できなくなる段階が来ることが多くなっていきます。これが「人は無能になるまで昇進する」というように言われることで、組織によってはその能力不足の人が各クラスに滞留することになって、組織全体として能力を発揮できないことになる(機能しなくなる)という極端な話も出てくるということに着目して、分かり易く極端に示していることになります。

 ビジネスの分野でよく用いられる社会学の法則の一つであるこのピーターの法則は、自他ともに能力の限界を迎えた人やそもそも組織人を批判したり、組織の限界を揶揄したりするように捉えるべきではなく、昇進後の役割と、昇進前の能力や方向性とが合わないことで成果を発揮できなくなるかもしれないことを意識することで、そういった組織にしないための個人や会社への警鐘として捉えるべきかと思っています。

 昇進が昇給や責任拡大、やりがいに繋がることは多々ありますが、自分自身や組織を危うくしてまでの必要はなく、チャレンジ精神や体面は大切ではあるものの、個人として急がず着実に実力をつけていくこと、新人事制度における自分に合う複線型昇進を目指すこと、そして会社としては慎重さと思い切りとのバランスの中で登用(昇進)と体制化を図る必要があると思っています。



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