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時事

2022年12月27日1件の意見だから?

 ここ数日マスコミで話題になっていることに、長野市の公園「青木島遊園地」廃止問題があります。

 公園で遊ぶ子供たちの声等がうるさいと、1軒の住民が市に苦情を訴え続けたということを切掛けに結果的に公園を廃止することになったということで、マスコミ、市議会を巻き込んでの議論になっています。

 当該住民は、公園ができる以前から周辺に住んでいて、公園ができる頃から一貫して何の相談もなかった既存住民の意見を取り入れるよう主張していたものの、子供たちの声等に悩まされ、市に要望を出して対応し続けてもらう一方、公園が近くにあるからと理由で引っ越してきた方も居られるようで、その後の公園存続要望は複数件に及んだと聞きました。

 先の住民の要望とともに、公園の利用者がほとんどいなくなり、土地の貸借費用との関係もあって費用を負担する地元区長会から公園の廃止要望が出され、市長判断では廃止手続きが進められるとのこと。

 要望件数の多寡の問題だけではなく、児童を持つ特定の期間便宜を得られる公共サービスか、ずっと続く住環境上の問題かという視点もあって、SNS上では賛否両論の意見があるようです。

 さらにそもそも子供の遊び声が騒音か、人それぞれの受け取り方の違いかということもありますが、都会では特にこのような問題が起こりがちなこともありそうで、本件が公園廃止後、そんなこともあったと時間が解決するに任せていいのかという気もします。

 マスコミ情報では「苦情1件で」という観点が強調され過ぎている感じですが、そこに基づく公園の存続/廃止論に注目するよりも、私個人としては公園設置時の周辺住民への初期対応に問題があったように思われてなりません。

 因みに、自宅近くの小学校でも、強風時の校庭からの砂塵が迷惑だという一部の苦情電話により、サッサと校庭をアスファルト舗装したことがあったのですが、その苦情対応後に土のグラウンドの良さを主張する声が上がって、どうするみたいな話で盛り上がったこともあります。

 本件に限らず、やはり初期段階からあまり論議をせず、コトをなし崩し的に進めることで、後から大きくしわ寄せが及び得るということではないかと思います。関係者における情報共有を行うことと納得感を得ることの重要性は、十分に心得る必要があると思います。



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