JTボス通信JT Boss Blog

方針

2024年05月02日運良く橋を渡れている意識

 現場作業を、橋を渡ることに例えると、必要な道筋、手順は橋の上にあってそれを間違いなくなぞって渡ることで、作業を行うイメージです。

 作業によっては、その道筋の近くか少し離れているところに、橋の低い欄干があって、そこを超えてはみ出ると橋から落下する(インシデント、トラブル等が起こる)ことになります。それによって橋を渡り切れないことは、作業が正常に終われなかったことになるのですが、大体の場合は、橋の幅が案外広くて、多少注意が散漫であっても橋から落ちることはなく渡れてしまいます。そうすると、油断を重ねて手順の省略(曖昧なままの許容)が行われたり、普段と状況が違っても立ち止まらなかったりすることも行われるのかもしれません。

 このとき、橋の欄干は、安全や品質のキーとなる(これさえ守ればインシデントにならない)手順であったり、「べからず集」であったりすると思うのですが、最後の砦とも呼ぶべき橋の欄干にさえ近づくこと稀なのかもしれません。しかしながら、時としてある種の条件が整ってしまい、前述のように、橋の幅が思ったより狭かったり、ふらついて自ら欄干に近づいたりすることもあるでしょう。

 言い換えると、普段は欄干がなくとも(欄干に頼らなくとも)案外橋の幅が広いので、そのまま渡っても落ちることはありません。しかしながら、それを意識しないで何度も橋を渡り続け、ある時不運にも条件が整うと、あっという間に、橋の欄干にまでたどり着いてしまうことがあるのだということです。

 それでも欄干を頼りにきちんと歩めばトラブル、災害なく渡れるものを、それを疎かにして手順があいまいなまま思わぬことで作業を進めたり、「べからず集」を無視したりして橋から落ちているのが、昨年度当社で発生したインシデントではなかったかと思っています。

 普段の業務の中で、実際橋の欄干(インシデント発生条件が整うこと)に近づきつつも、非常に運良く無事に回避して橋から落下しなかったこと(インシデントが発生しなかったこと)に案外気が付かないでいることも多いのではないでしょうか。実際後から分析してみると実態は偶然や運に頼った作業実施をしていた、インシデント発生時は普段整わない条件が整ってしまっていたということがあると思います。

 安全確保、品質確保のために、油断せず手順書において見直すべきことは必ず見直して、きちんと安全な道筋を持って作業を進めるために、日頃危険感受性を高め、危険敢行性を意識して、主体的にであって運に頼ることなく、確実に問題なく橋を渡り切れる(作業を貫徹できる)ようにいたしましょう。



Copyright j-tech66.co.jp