JTボス通信JT Boss Blog

方針

2023年07月25日北風と太陽

 標題はご存じの話かもしれませんが、一般的ではない北風勝利編も含めて紹介します。

 北風と太陽が自分の力の方が上だと言い争っていた。そこで、次の2つの勝負をした。
 最初は通りかかる旅人の帽子を取ることにした。
 太陽が照り付けると、旅人は日差しを避けようと、決して帽子を脱ぐことはなかった。
 北風が吹き付けると、あっという間に旅人の帽子が吹き飛んだ。
 次に旅人の上着を脱がすことにした。
 北風が吹き付けると、旅人は震え上がり上着をしっかり両手で押さえるばかりだった。
 太陽が照り付けると、旅人は上着を脱いで気持ち良さそうにした。

 この北風と太陽は、私の記憶では、太陽勝利編だけを取り上げて、強引な方法より着実で穏やかな方法を選ぶべきである、というような教訓で語られることが多かったと思います。

 しかしながら、上記のように北風勝利編を取り上げることで、解釈や教訓の様相が変わります。即ち、たとえ実績がある既知の方法でも、様々な条件によっては、効果があったり、逆効果になったりするので、よく見極めた上で臨機応変に用いなければならないということです。

 特に過去の成功体験は、そのままの方法でまた成功するとは限りません。自らの常識や受け取り方は、常にそれが正しいのか、謙虚に見つめ直す必要があります。さらに、一般に、年をとればとるほど、その素直さは消えていくと言われ、その点、自分自身も注意しなければと思うところです。

 また、マニュアル、要領を守ることは重要ですが、それだけ守っていれば十分ということではなく、さらに充実させる必要もあり得ます。さらに、この話は身近なことだけでなく、世の中や業界で常識と呼ばれるものの中にも、本当にそれを用いることが正しいのか、他により良い選択肢がないのかを考える余地があるかもしれません。

 学んだ仕組み、プロセスをよく思い出し、状況(現実)をよく見て、それに基づく(情報不足ならそれを踏まえた)適切な判断、方法が大切だと思います。

参考:『座右の寓話』、戸田智弘、ディスカヴァー・トゥエンティワン



Copyright j-tech66.co.jp