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方針

2023年06月29日事に対処する姿勢

 少し前に過(あやま)ちを認め、改める話をしました(2023.6.20 改めるに憚ることなかれ)が、今回はその続編的な話です。孔子は事に対処する姿勢を2つに大別しています。

 「君子はこれを己に求め 小人はこれを人に求む」
要するに、「君子は、事が起きたのは自分の行いに原因があると受け止めて解決に向かう。一方小人は他人のせいにする。」ということです。

 ここで、「君子」をリーダー、管理職を指すとすれば、組織や部下のために考えた行動が期待される一方、「小人」とは私利私欲を中心に行動する人とされるが、この小人であったとしても、時に親になり、チームのリーダー(部下、後輩が付く人)になりして、それなりの責任が伴うと、もう自己中心主義ではいられず、度量の広さが求められます。

 孔子は、自分が過ちを指摘されたときの心境をこうも言っています。
 「私は幸せ者だ、過ちを犯すと、人がきっと気づいてくれる」

 孔子でさえ過ることがあり、どのような理由があっても、過ちを素直に認める懐の深さは流石の一言で、またきっとそれを持って本質的な箇所に触れ、基本的な考え方、行動に立ち返って改善するであろうことからも、素晴らしい考え方、姿勢であると思っています。

 また、誰であっても、そういった過ちをおかしたことに気がつき、反省と自戒を持っている人に必要以上にムチを打つような真似をするのは、あるべき姿ではなく、むしろそれが他でも起こり得ないかという観点で、再発防止的、教育的見地から如何に生かすことができないかと考え、実施することが極めて大切です。

 さて、経営が過っては大変なことになりますが、日々の取り組みの中では、細かなことも含めて過ちを皆無に過ごすことは不可能です。私自身も自ら気づくように極力客観的な眼を無くさないようにしたいと思っています。さらには、過った場合に指摘していただくか、その前に過るかもしれない可能性を察知して然るべく相談の機会を提供いただくかについても、躊躇なくしていただきたいと思っています。

参考:日経トップリーダー2023/5号 P82



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