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方針

2023年06月27日答えのない最善手

 企業が拡大を続ける成長期には、社内の部署や子会社などが増え、新しいポストが生まれることで、会社の底上げが社員の昇進に繋がりやすい側面があります。しかし、成長性が不十分で、時に事業の選択と集中を進める企業が多い昨今では、組織がスリム化され、昇進できるポストが限られ、会社の底上げが幅広い昇進にまで繋げることが難しくなっています。
 
 当社は、社員の平均年齢が若いことから、前者の成長性を踏まえてであるべきだと思いますが、一方では世の中的に後者の道もあることを十分踏まえなければならないとも思っていて、そのバランス感覚が大切だと思います。
 
 特に日本の高度成長期には上司の知識と経験に基づいて戦略を立て、部下ががむしゃらに頑張れば大きな成果が得られたことが多く、謂わば「問題解決の答えを上司が持っていた」時期とも言え、上意下達のマネージメントが正しく、管理職の必要要件でもありました。
 
 ところが、高度成長どころか安定成長も覚束ない現代では、情報通信技術の普及やグローバル化が進み、経営環境の変化は格段に大きくなり、価値観も多様化し、市場も細分化する方向にあります。そのような環境では、管理職であっても過去の経験の蓄積が役立たないばかりではなく、問題解決の答えを出せなくなったとも言える状況にあります。
 
 そんな時代に必要なことは、現場の社員の方々やステークホルダー(利害関係者)との意思疎通、市場動向に耳目を向けた情報収集などであって、がむしゃらに頑張ってもらうだけではなく、お互いを尊重しながら、情報共有と協調を持って検討し、歩みを止めることなく、最善手を打っていくことが重要であると思っています。

 経営や事業の方向性などを考えるのは決して経営層だけの仕事ではなく、管理職を含めた社員の皆さんも参画でき、実施の一翼を担っていただいている感覚を大切にしていただければと思います。

参考:日経ビジネス、2020.03.09 No.2032、P42



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