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方針

2023年04月04日本当は怖い話

 ご存じの方も多いとは思いますが、グリム童話として知られる「シンデレラ」は、子供の頃に聞かされたり、お子さんに話したりされる有名な童話の一つです(ご存じない方は、お調べください。)。でも、この時に語られたり、映画化されたりしたお話は、グリム原作とは異なる点が何か所かあります。

 その主な点をご紹介しますが、この点において「シンデレラ・ストーリー」という表現はしたくなくなるかもしれません。

 ・主人公の本名は「エラ」であって、「シンデレラ」は「灰かぶり」の意味がある単なるあだ名でした。

 ・王子さまとの舞踏会は、実は一夜限りではなく3日間続けて開かれたのですが、最初の2日間シンデレラに急いで帰られてしまった王子さまが、最終日には簡単に帰さないようにお城の階段に粘着するヤニを塗ったので、結果、ガラスの靴が階段に残ったのでした。

 ・継母が二人の(シンデレラの)姉に残ったガラスの靴を無理やりにでも履かせようとする際に、シンデレラが継母に「妃になれば歩く必要もないから、足を小さくしたら」と語りかけ、継母が娘のかかとを削ったり、親指を切ったりして無理やり履かせました(もちろん、王子に認められなかったのですが、シンデレラの復讐心が怖いですよね。)。
 
 ・そのガラスの靴も、実は仏語を英訳する際の誤訳で、元々はガラス製ではなく革製でした。

 その他、二人の姉がシンデレラの結婚式で、鳥に目玉をくりぬかれる場面があるなど、一般に知られている内容と異なるシーンがあり、原作はもっと刺激性の強い?ものでした。

 これらを持って、シンデレラには色々なバージョンがあると締めくくっても良いのですが、原作とは異なっても、いろいろあって児童書になるまでの間に都合よく改訂されてしまうことも普通に行われ得たということです。

 しかしながら、私たちにとっては、ルールなど制定時オリジナルの精神を大切にすべきところを、後に勝手に改訂(解釈)してしまう(かもしれない)ことが、シンデレラより怖い話なのかもしれません。



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