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方針

2022年12月01日当たり前のレベル

 赤ん坊が初めてハイハイすると非常に嬉しく感動的になるのですが、それがいつの間にか当たり前になって後に、今度は初めて立って歩いたりすると、また非常に嬉しく感動的になります。

 かようにできないことができるようになると、その時は嬉しいし感動するのですが、しばらくするとそれも当たり前になって、次のできないことができるようにならないと、以前のような喜びや感動は得られないものです。

 実は業務も同じことが言えるのですが、少し違うのは、ある時できるようになったからと言って、次の機会にもできるとは限らないということです。

 そのできるとは限らない、即ちできなかったことには、指差し確認、マニュアル確認といった基本レベルから始まって現場指導や客先との交渉といった対人レベルのものまで幅広くあって、どのレベルまでが当たり前にできているかによって、その会社、部署グループ、班/チームのレベルが決まると言っても過言ではありません。この間発生した当社インシデントに対しては、この点を顧客である日本原燃から問われていることについて、心新たにする必要があります。

 品質に関わることもありますが、特に安全、災害防止に関わることは、事故発生時の関係者の身体的安全が損なわれる可能性があるため、各種目標としてインシデントゼロ、災害ゼロが取り上げ続けられることになります。しかしながら、これらの目標は達成されても、せいぜい評価は契約終了後の無災害ゼロ表彰くらいで、目標が達成されなかった場合のトラブル対応の苦労に比べて、納得感や満足感が得られ難いかもしれません。これは関係者の総意として、インシデントゼロ、災害ゼロが当たり前のレベル目標になっているためです。

 このような場合には、途中での苦労、工夫の評価が軽視されることも多く、さらに結果が全てであって、しかもそれが当たり前レベルであるのですが、そういった実情を私たちはプロとして(甘んじて)受け入れながら、きちんと求められる仕事をこなすべきことを再認識する必要があると思います。

 因みに、メジャーリーグの大谷選手が今年MVPを獲得できなかったとしたら、その要因の一つは昨年の活躍に関係者が慣れてしまって、「大谷ならば」の当たり前レベルが上がり、以上に記したことと同じようなことがあって、彼にとっての印象点、評価点の基準が上がってしまったのではと解釈したくなります。



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