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方針

2022年08月30日一生懸命と一所懸命

 よく使われる言葉に「一生懸命(いっしょうけんめい)」があります。物事を命がけでする様子とされますが、当社2019年度の赤字決算からの昨年度に至る立ち直りは、皆さんに文字通り一生懸命に経費節減や営業努力に努めていただいたお陰だと思っています。

 ところで、この「一生懸命」は「一所懸命(いっしょけんめい)」が転じて使われるようになった言葉であることをご存じの方も多いことと思います。今ではどちらを使っても間違いではないのですが、「一生懸命」の方が広く使われていると思います。

 「一所懸命」は、今の大河ドラマの舞台、鎌倉幕府に端を発した中世日本の武士が、幕府から賜った「一か所」の領地、つまり土地である代々の領地を命がけで守ることが由来であって、この「一か所」「一所」が「一生」に代って今に至っています。(※諸説あります。)

 「一生懸命」も「一所懸命」も両者ほぼ同じ意味で使われますが、以上のような経緯もあって、ニュアンスとして「一生懸命」が広く物事を命がけでするイメージなのに対して、「一所懸命」は一つのことに力を尽くすイメージがあるようです。

 私たちがビジネスで使う時には、全力で取り組むという意味で相手に思いを伝えるために「一生懸命」を使うことが多くなると思います。「一所懸命」を使う時には、前述のニュアンスを意識した使い方を心掛けるようにしましょう。でも、自分の部署だけ(一所)のために懸命になるのは、正しくありませんからね。

 因みに、「一所」には一つの場所という意味から同じ場所という意味があり、今では「一緒」と表記される元の表記だったそうです。

 時代は変わると表現等も変わるものですが、仕事に対する「一生懸命」は変わらない姿勢としたいものです。
 



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