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方針

2024年02月01日フィルターバブルとエコーチェンバー

 人は「自らの見たいもの、信じたいものを信じる」という心理的特性を有しており、これは「確証バイアス」と呼ばれます。

 これを持って、皆さんDXに係るeラーニングでも学んだプラットフォーム事業者(Google等)は、利用者個人のクリック履歴などを収集したデータ分析し、レコメンデーション(あなたへのおすすめ)などとして関心を持ちそうな情報を優先的に配信しています。このプラットフォーム事業者のアルゴリズム機能によって、ユーザーは自身が求める情報に簡単に到達しやすくなっています。

 一方、アルゴリズム機能で配信された情報を受け取り続けることによって、ユーザーは自身の興味のある情報だけにしか触れなくなり、あたかも情報の膜につつまれたかのような「フィルターバブル」と呼ばれる状態となる傾向にあるとされます。このバブルの内側では、自身と似た考え・意見が多く集まり、反対のものは排除(フィルタリング)されるため、その存在そのものに気付きづらいことが言えます。

 また、SNS等で、自分と似た興味関心を持つユーザーが集まる場でコミュニケーションする結果、自分が発信した意見に似た意見が返ってきて、特定の意見や思想が増幅していく状態は「エコーチェンバー」と呼ばれ、何度も同じような意見を聞くことで、それが正しく、間違いのないものであると、より強く信じ込んでしまう傾向にあるとされます。

 これらフィルターバブルやエコーチェンバーにより、インターネット上で集団分極化が発生しているとの指摘があります。意見や思想を極端化させた人々は考えが異なる他者を受け入れられず、話し合うことを拒否する傾向にあります。フィルターバブルやエコーチェンバーによるインターネット上の意見・思想の偏りが社会の分断を誘引し、民主主義を危険にさらす可能性すらあり得ます。

 以上の内容に関連して考えると、自分の考えがどのような位置づけにあるのか、冷静に振り返り続けることが必要な時代なのかもしれません。

参考:通信情報白書 令和5年版、総務省



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