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方針

2023年10月26日時代の最先端

 私が子供の頃は、原子力は夢のエネルギーであり、鉄腕アトム(古い!)やそれにちなんだ店名を有する店が多くみられていった時代でした。もちろん当時から反対派はいましたが、その後の状況に比べればかなり少数で、エネルギーのほとんどを石炭、石油の輸入に頼る日本の現状を改善してくれる明るい話題に繋がるものでした。

 もちろん、原子力技術自体も時代の最先端であり、特に米国からの技術導入の下で、主に2つの炉型(PWR、BWR)の原子力技術の獲得と国産化に向けて、国内の企業が努力し続けるという前向き感も業界にはあったものです。

 しかしながら、安全第一の考え方が特に高まる中で、いつしか規制によって、実績第一主義となり、時代の最先端の技術や考え方が置き去りにされることが見受けられ、原子力発電所周りの装置等について、実績(安全性など)という名で時代遅れ製品が跋扈する部分も見受けられるようになっていった気がします。

 このことは、サイクル事業においても同様な部分があって、安全第一という言葉を軽んじる気持ちは毛頭ないものの、当該事業だけで生きることを考えると、世の技術進歩に遅れることも避けられないのではないかという危惧を持たざるを得ません。

 5Gだ、AIだという時代にあって、その足元にも及ばないところで、事業を行うことは、ひょっとしたら車社会に対して人力や荷馬車で物を運んでいるのと同じ感覚であって、時代に取り残されいくことになるのかもしれないのです。

 新しいことにチャレンジすることは、それによって生産性向上等を目指すことではあるのですが、技術的にチャレンジすること自体、或いは外販によって別のサイクル事業以外の事業に触れること自体、当社が世の中の動向を肌で感じ、視野を広げることに大いに役立ち、子会社としての役割もより全うしやすくなるという感覚が大切だと思います。

 経年劣化、装置の製造中止やその備品確保不可が目立つようになれば、そもそも装置やプロセス自体も使い続けるべきかという岐路に立たされることも増えるでしょう。その際に様々な事情から時代の最新化ができないことを痛感するかもしれませんが、本来であれば別の(時代の最先端の)技術やプロセスを使う利点を知っていることが役立つこともあると思います。



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