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方針

2023年09月28日組織変革の表れ

 とある勉強会でのチームで話し合う課題(ロールプレイ)として、「納品した製品にクレームが発生した場合の対応策をそれぞれの役割で話し合ってください」というものがあり、「営業担当者」「営業部長」「開発部長(製品担当部署)」「管理部長」「役員」で行う設定でした。

 この場合、十分な組織レベルに達していないと、責任の押し付け合いになるところですが、勉強会の課題対応とは言え、十分な組織レベルに達していると、内省的な言葉が出てくるそうです。以下は、その例です。


営業担当者
「私が客先の要求仕様をちゃんと理解していなかったのが大きな原因です。」
営業部長
「なるほど。しかしその状況をちゃんとつかめていなかった部長の私の責任だ。」
開発部長
「営業担当者に技術的知識を求めることよりも、整合性がないまま仕様を満足しているということに気が付かなかった開発部の責任です。」
役員
「今後、こういうことが起こらないようにするにはどうすればよいだろうか。」
開発部長
「直ぐに開発部で対策を含めた資料を作成し、各部署にて再発防止の勉強会を開くのはいかがでしょうか。皆さん、お忙しいとは思いますが。」
管理部長
「ありがとう。喜んで各部署に時間を作るようにさせてもらいたい。」
営業部長
「では、営業部内には連絡するので、開発部長、ご苦労さまだけどよろしくお願いします。」
役員
「皆さん、ご苦労だけどよろしく頼む。では、私は客先の役員に改めてお詫びに行くよ。」

 ここには、責任逃れや言い訳をする人は一人もいなくて、お互いのことや会社の将来のことを考えたやり取りがなされていると言えます。

 批判的な姿勢を表すことで自らの正当性や立ち位置を保とうとする人には、やや歯の浮くような空々しい会話かもしれませんが、前向きな組織変革の到達するところにはこのようなやりとりが普通になっていくことも、一つの表れではないかと思います。

参考:社員が自ら考え、動く自走型組織の作り方、森田満昭、幻冬舎



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