JTボス通信JT Boss Blog

方針

2023年06月20日改めるに憚ることなかれ

 昨今のトラブル、インシデントなどに関連した話として、一度の失敗もない人生はないと思いますが、それを少しでも小さく終わらせ、そこから学び、再発を防止し、客先の信頼を回復することは、非常に重要なことです。

 標題の全文である「過(あやま)てば則(すなわ)ち改めるに憚(はばか)ることなかれ」という言葉を聞かれたことがあるかもしれませんが、要するに「自分の過ちに気づいたら、グズグズせずに素直に改めることだよ」ということです。

 普段、自分の信じるところで仕事をしていたり、日々忙しく公私に判断していたりする場面では、間違いに気が付きにくいかもしれませんし、気が付いても改めることがしにくいことがあるのかもしれませんが、そこは直ぐに改めることが賢明です。

 標題は、あの中国の孔子が書いた「論語」からの言葉ですが、実はこの言葉は全く同じ章句で2回も登場するそうです。孔子がこの過ちの言葉について、繰り返し弟子たちに語っているような気がします。さらに、孔子は、弟子たちの過ちは指摘しても、あまり厳しくとがめることはなかったそうです。その代わり、再び同じ過ちをしないように力説しています。私もかくありたいと思うところです。

 さらに、孔子は、「過ちて改めざる これを過ちという」という言葉も残しています。要するに「過ちに気づいていながら改めない。これを本当の過ちというんだ」ということです。

 繰り返しますが、トラブル、インシデント、ミス、失敗等々、これらの過ちをしない人は、一人もいません。また、過った過去を取り返すこともできません。しかし、本当の過ちは、このような過ちを繰り返すことだということです。

 過ちをおかさないようにするために、再教育や前例の防止策を踏襲することが多いのですが、それが最も安全な方法ではあるものの、そこで満足することなく、本質に迫る創意、工夫、改善に至る必要があります。また、過ちに気が付いた後の姿勢や行動が、ただの過ちで終わらせるのか、更なる成長に繋げるかの分かれ道になります。

 これらを安易な取り組みで終わらせることなく、おかしてしまった失敗から学ぶようにしましょう。

参考:日経トップリーダー2023/5号 P82



Copyright j-tech66.co.jp