JTボス通信JT Boss Blog

方針

2022年11月01日無駄が見えているか

 イギリスの古い諺に「暇つぶしは一番忙しい仕事である」というのがあります。ヒマだと思われる老婦人が、遠方の姪に手紙を出すのに、まる1日を費やすという話を例示します。

 このお婆さんは、はがきを書き終え、差し出すのにたっぷりと時間を掛けます。具体的には以前姪から届いたはがきを探すのに1時間、眼鏡を見つけるのに1時間、宛先を探すのに1時間、文章を書き上げるのに1時間半、郵便局まで傘を持っていくかどうかの思索に30分、といった具合です。

 こんな感じで彼女は5時間くらいもかけて手紙を出しに出かけるのですが、万事こんな調子でいつでも忙しいと感じているのです。暇つぶしとは言わないまでも手紙を書くことだけみれば、4~5時間は無駄と言えますが、ここまで極端にわかりやすい話ではないにしても、会社でもこのような無駄がないと本当に言えるのかということです。

 必ず誰かが行わなければならないという観点もありますが、そもそもやらなければならないことか、それは本当に無駄な観点がなく、自分が自身の成長も含めてやるべき仕事か、さらにやるのであればどういう工夫をすべきか、上司、先輩とも相談しながら対処する必要があります。

 当社は、赤字決算後の売上、利益は増加し、業務量が増える傾向にありますので、組織の拡大や人員の増員も視野に入れなければなりません。しかしながら、ここで思い出すべきこととして、パーキンソンは彼の著書で、「企業が拡大するのは、業務量の増大のためではない。むしろ、組織が拡大するが故に業務量も増大するのである」※としていることがあります。

 つまり昔でいうお役所仕事的でしょうが、人が仕事を作り、仕事が人を要求する、その結果、組織は拡大の一途をたどるということで、必要以上にこのようなことになろうとしていないか、常に注意を払う必要があるということです。さらに、真に業容拡大するには、多くの場合に人が必要となりますが、将来も考えつつ人の埋め方がどうしようもないものか、その前に無駄を省けないか、十分に工夫されているかを考えることも必要です。

 このように組織の非効率性は最も避けるべきことですが、全体としては避けられているようで、なお実は稼働率や利益率の悪い部分を、誰か別の人や別の組織が補っている場合(その人や組織自体が原因でない、事業構造上どうしようもない場合も含めて)があることも踏まえて、普段から効率的組織運営を心掛ける必要があります。

※ これはパーキンソンの法則と呼ばれています。



Copyright j-tech66.co.jp