JTボス通信JT Boss Blog

方針

2022年10月20日なまけものであること

 「なまけもの」という言葉に、あまり肯定的な印象を持つ人はいないと思いますが、努力家の「働き者」である方が良いかというと必ずしもそうではなく、努力家の落とし穴は、「工夫」をすることが薄れがちになることだと言われます。コツコツとやればできるということは、非常に貴重なのですが、ノウハウを含めた教育や他人に任せることが必ずしも得意とは限らないということもあり得ます。

 なまけものは良く言うと「考える人」です。どうすれば怠けられるかを考えて、工夫をする点で、他者に教えるノウハウを持っています。もちろん、工夫が悪用であってはいけませんが。

 過去にドイツの軍人ゼークトが組織における適性について、なまけものか働き者か、有能か無能かで分類しています(ゼークトの組織論:2022.10.18 言われたらやる?)。

 「有能な怠け者は司令官に、有能な働き者は参謀にせよ。無能な怠け者は、連絡将校か下級兵士にすべし。無能な働き者は、すぐに銃殺刑に処せ。」

 最近では、これをビジネスに置き換えジョーク混じりに紹介されていますが、ここでは端的に説明するとして。

①「有能な怠け者」は有能であるが故に事の是非を決することができる。そして、怠け者であるが故に他人を用いて任せることもできるので「上に立つ者」として最適である
②「有能な働き者」は事を判断することができるが、働き者であるがゆえに他に任せきることができない。よって、上に立つよりも「参謀として補佐する」立場が最適である
③「無能な怠け者」は自分で判断できないし、自ら動こうともしない。よって「命ぜられたことをそのまま遂行する」立場に適任である
④「無能な働き者」は自分で適切な判断もできないのに、勝手に動く。これは「余計な事をして迷走する」者である

 私も含め③「無能な怠け者」で居続けないようにしたいものだと思われそうですが、よく言われるのは④「無能な働き者」にはなるなということです。それは、何ら工夫をすることなくひたすら業務、残業をして目の前のことを片付けようとする又はさせるといった④「無能な働き者」のタイプが日本人には多いということからです。

 改めて見ると、少し心が痛むところがある気がしています。

参考:フリーター就職支援「ハタラクティブ」、「有能な怠け者とは?その実態と特徴」、https://hataractive.jp/useful/2338/



Copyright j-tech66.co.jp