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方針

2022年09月27日良い借金、悪い借金

 借金(借入金)があることは必ずしも悪いことではないと言われます。

 例えば、不動産事業ではビルを借金で買って、商業用に貸し出せば、毎月決まったテナント料が自動的に入ってきます。最初にビルを買う金額があれば、メンテナンスや事務作業を除けば、(極端な話、何もしなくても)利益を上げることができます。このようにお金を借りることで、より多くの投資をして、それによって多くの利益を上げることができるのであれば、それは良い借金です。

 このような事業を資本集約型事業と言います。

 一方、借金をすることが直接利益に結び付かない業種もあります。飲食店などはその典型であって、借金をすることにあまり意味がない、というか借金を可能な限りすべきではないとも言えます。この業種は、基本的に人間の労働によって売上、利益を上げているのです。もちろん、店舗や機材を借りたり買ったりする場合に借金をすることはありますが、「借金をすればするほど利益が見込める」仕組みにはなっていません。むしろ、人を増やし、総労働量を増やすよう事業展開することによって、売上や利益が増していくところに本質があります。

 このような事業を労働集約型事業と言います。

 事業のタイプに寄らず、以上のように利益を伸ばすために無借金であることが必ずしも健全経営ではないということなのですが、借金や投資をどう生かすか、生産効率、利益拡大の点では設備を増すのと労働力を増すのとでどちらが収益を上げられるのかなども考える必要があります。また、この時、当社が資本集約型事業を中心に営んではいないことも分かると思います。

 現状当社では、住宅ローンや生活ローンのように多少借金をしてでも家(社屋)と安定的な生活(運転資金確保による健全な経営)を手に入れられていることに満足している状況に近いのだと思います。しかし、今後はより適切な投資を行い、より多くの利益を得るようにしなければ(2022.7.7 資金/投資回収のスピード)、平均年齢が上昇することでの経費上昇、客先からのコスト削減圧力などを吸収できず、期末キャッシュフロー確保とも関連して、借金がより一層日々の生活ための活用だけに止まります。

 今後当社は、借金(借入金)が適切な投資に回り、設備や労働力を生かせる案件、これらを増強しなくても行える体制を整えられる案件のように受注拡大をしなければ、赤字リスクを抱えたまま、当社事業全体として縮退するしかないと理解しています。



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