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方針

2022年09月13日弓道由来 その2

 2022.8.18 弓道由来の続きとなる道具編のお話です。

 まず「輪を掛ける」は弓の先端に弦の輪を掛けることであり、転じて物事に勢いをつける意味で今は使われているというのは意外かもしれません。その点、「白羽の矢」というのはイメージそのものの言葉に近いかもしれません。ただし、この「白羽の矢」は、今はプロジェクトチームにコミットされたみたいな良い意味で使われますが、古来は人身御供を出すために選ばれたという意味合いなので、使い方は随分変わっています。

 矢はその製造過程(表裏で凹面凸面を持つ羽根を2つに割くこと)から、2本単位(一手:ひとて)で作られます。言い換えると、軸方向に矢に取り付けられている羽根を見ると、右回りと左回りの2種類になるのですが、この一組2本(甲矢:はや、乙矢:おとや)で順に放つ際の2本目の矢が、文字通りの「二の矢」になります。

 あと矢で関連するものとしては、「矢面に立つ」「矢先」なんかも、分かりやすい弓道由来と言えます。

 その点、「手薬煉(てぐすね)をひく」は好戦的に準備を整えておくことになりますが、この「薬煉(くすね)」は弦の補強のための練り薬のことで、知らなければ関連が分からないものだと思います。

 また、「かけがえのない」はこの上なく大切なという意味ですが、この最初の「かけ」は弓の弦を引く時の手袋のような道具である弽(かけorゆがけ)のことです。

 さらに、「そんな筈はない」とか「手筈を整える」とかの筈は、矢の末端の弦に噛ませる凹みの部分を指します。

 他に変わったところでは、「ヤバい」というのもそうだと言われていて、「ヤバ」は「矢場」を指し、矢場は危ないからというのが由来だとも言われています。因みに、名古屋市には中心部近くに矢場町という地名がありますが、別にヤバくはありません。

 さて、これら由来を知ることが何かの役に立つかは分かりませんが、単なる知識としてでなく、時代の変遷を感じさせられることもあります。これに限らず、皆さんも関わって来られたことで話題が作れたら、紹介していただけると他の皆さんが興味を持てたり、ひょっとしたら営業トークに使えるかもしれないと思います。



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