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方針

2022年07月07日資金/投資回収のスピード

 経営において、現金(キャッシュ)を早く多く回して利益を上げることは重要なことです。単純に言うと原材料を購入し、加工費を掛けて製品化し、物流費等を掛けて売り、それが原価以上の現金になり、それをまた回すことを早く多く行うという意味です。

 当社は、製品を売るというビジネススタイルを元々持ち合わせていないので、このサイクルのスピードに関わる感覚に乏しくなることに注意しなければなりません。特に売上が客先の年度予算に依存していて、年度でプロジェクトを完了することに慣れてしまうと、原価低減には敏感ではあるものの、スピードが重要であることに鈍感になりがちです。委託業務はまだしも、請負業務については本来敏感であるべきなのです。

 当社が行おうとしている外販を意識して少し話を分かりやすくすると、製品やサービスを早期に一般市場に投入することで、それまでの投資が少しでも早く回収できるということ、即ち、冒頭のキャッシュの回転を速め、売上、収益の早期化を図ることで営業キャッシュフロー(現金を生み出すこと)の向上を目指す必要があるということです。従来事業であれば、多くは人を投入して年度末まで従事させて…となるのですが、次から次に現場が待っているならば、売上や収益を上げるためには早くプロジェクトを完了して次々にプロジェクトに臨んでいく方が良いことはお分かりいただけると思います。

 ひとたび得た収入(現金/キャッシュ)をさらに的確に原価低減や売り上げ拡大のための投資に回すということで、更なる好循環により収益向上に繋がるのですが、この間の時間が掛かるとしたらどうなるでしょう。

 現金化が遅れるだけでなく、他社参入の可能性が高まり先行者利益やビジネス機会の損失を招き、特徴ある製品やサービスが一般化又は陳腐化して付加価値が下がり、売上、収益の目算が狂うことも十分考えられます。一般企業ではこのことは極めて重要なリスク管理項目(いわゆる機会損失)です。

 投資計画の前倒しは、大いに結構です。投資成果が遅れるということは、回収計画も遅れ、期待していた収益も会社への貢献も得られなくなる可能性が高まることを十分認識して、投資活動に臨む必要があります。



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