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方針

2022年11月10日空飛ぶ馬

 ある男が王様の怒りを買って死刑を宣告されました。そのとき、男は次のように述べて王に命乞いをしました。

 「王様、私に王様の馬を1頭お預けください。1年の猶予をいただければ、馬に空を飛ぶことを教えましょう。1年経ってできなければ私を死刑にしてください。」

 王様はこの命乞いを受け入れ、「1年経って、私の馬が飛ばなかったら、お前を殺すからな。」と言いました。

 この話を聞いた囚人仲間は、「馬が空を飛ぶはずないだろう!」と男を馬鹿にしたが、男はこう答えました。

 「1年以内に王様が死ぬかもしれない。私が死ぬかもしれない。あの馬が死ぬかもしれない。1年の間に何が起こると誰が言い当てられるのか? それに1年あれば、馬が空を飛ぶようになるかもしれない。」

 この話で実際に馬が飛ぶことはできないだろうということはともかく、死刑執行猶予の1年間を得たことに違いないので、当初の目的は十分達成したということだと思います。

 ところで、この話ほど現実離れしないまでも、業務上できない話をリスクヘッジなしに「できます!」と言うのはダメですが、最初に直ぐに「できません!」と断ることについては、本当に正しいかどうかを良く考えておく必要があります。

 「できません!」というのは、その場で直ぐに仕事を断るということで、もし自分だけで相手の求めるレベルに達することが難しいのであれば、誰か(社内外誰でも)に助けを求めて行うこともできる等、自分の成長をも逃すことになることを覚悟する必要があります。
(因みに、この時、断るに断れない状況にされて、できないことを「できません」と言えないハラスメント的な場面は、あってはいけない話です。また、成長したくないし面倒なので、「断る」というのも勘弁してください。)

 この点を踏まえた上で、直ぐにできるかどうかわからないことを、あっさり「できません!」ということは、チャレンジする機会や同じ断るにも別の断り方の機会(別な提案をするとか、次の引き合いに繋がるやり方)を逃す観点から仕事の作法上、特に営業的発想では好ましいことではありません。

 来年度以降の売上見通しが厳しそうな折、頭や心の片隅においていただければと思います。

参考:『座右の寓話』、戸田智弘、ディスカバヴァー・トゥエンティワン



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