記事公開日
悪いところを真似る?

高校時代、硬式テニスを始めてそれほど年数が経っていない頃の話です。「いい打ち方で打つ方が上達が早い。そのためにフォームを固めろ!」フォーム偏重主義と揶揄される人もいましたが、当時の教え方の主流でした。
先生や先輩方からダメ出しも多くなされます。「その打ち方は早く直せ」「こうやって打つんだ」こんな感じです。ちなみに、時代は昭和です。ダメ出しされることはあっても、褒められることはなかなかありません。
素直に言われたとおりに直すべく練習するときもあれば、「本当にそうなんだろうか?」と疑問に思うこともあります。
なぜ、疑問に思うときがあるのか?
スポーツを始めたころ、いわゆる初心者のときは、身近な中級者や上級者に憧れることはよくあることです。その憧れの先輩が、私が直せと言われた同じフォームでうまくボールを打っています。「あんなにうまい先輩と同じなんだから、直す必要が本当にあるんだろうか?」自然な感覚です。
直すのに時間がかかりそうと感じる場合はなおさらです。生半可な修正ではありませんから、躊躇感が出てきます。その躊躇感が上述の自然な感覚をさらに助長します。
その結果、打ち方を直さないで時間が過ぎていきます。そして、また言われます。「そんなんじゃダメだ」
あるとき、先生からささやかれました。
「先輩のいいところを真似てほしいと思うんだけど、生徒を見ていると往々にして悪いところばっかり真似てくれるんだよね」
はっ!とします。私が直せと言われて、あの先輩と同じだから直すのを躊躇していたことは、もしかするとこれに当てはまるのではないか? 翻って、私が直せと言われたことは、もしかするとその先輩にとっても短所であって、その先輩がそこを直せばもっと上達できているのではないか?
認識を改めた瞬間でした。
「周囲が何と言おうと、〇〇さんがやっているからいいんだ」「その〇〇さんのやり方の方が私には合っている」テニスを例にとりましたが、日常生活でも会社生活でもあり得ることです。
先輩の悪いところをついつい真似てしまっていないか。このようなことを、都度、自問自答することも大切と思います。


