記事公開日
ありがたい(?)やませ

やませ、北東北地方の太平洋側では、初夏から夏にかけて現れるおなじみの気候です。主に北東~東寄りの風が吹き、どんよりした曇天や霧雨が続き、気温が平年より大きく下がります。
例年、やませが出ると、夏なのに肌寒いと感じる日も多く、場合によっては暖房器具の出番まであります。梅雨の時期、やませが重なって、最高気温が20℃以下、家の中ではエアコン(暖房)やストーブを焚くなんてことは珍しくありません。
また、通常、やませは20℃以下の低温と日照不足をもたらしますから、農作物にとっては厄介者です。日照不足と低温が続くと、稲作のほか、ナスやピーマン、トマトと言った実もの野菜は育ちにくくなります。いわゆる、冷害と呼ばれるものです。
このような気候から、三沢市や六ヶ所村周辺では、実もの野菜よりも根菜が盛んです。ながいもやゴボウの収穫量が多いのはこのためだと思っています。
このやませ、私もあまりいいイメージは持っていませんでした。肌寒く、うっとうしいばかりでなく、家庭菜園にもいい影響を与えません。でも、最近の気候変動から、やませに対するイメージも変わってきています。
日本中、夏日(最高気温25℃)や真夏日(同30℃)は当たり前、猛暑日(同35℃)どころか酷暑日(同40℃)という語まで作らなければならない時代になりました。とにかく、夏はうだるような暑さです。
北東北地方は、日本の中でもまだ恵まれていますが、それでも、昔はほとんどなかった真夏日は当たり前のように訪れるようになりました。猛暑日でさえちょくちょく現れ始めています。
これまでは、夏の最中でも、やませが出ると肌寒く感じることが多かったのですが、全国的に気温が上がっている中での最近のやませは、夏の真っ最中の冷涼な気候という感じになってきています。気温も20℃以下ではなく、25℃前後と肌寒くありません。
また、25℃前後であれば、家庭菜園への影響もさほどないように感じます。
先日、東京出張から戻った時、六ヶ所村は軽めのやませの状態でした。霧雨まではいきませんが、どんより曇っています。あの猛暑さながらの東京と比べると天国のようです。天と地ほどの差があります。この時期のやませって、過ごしやすいと感じた瞬間です。
とある報道では、「やませは天然のクーラー」と表現されていました。例年のように、そのクーラーが効きすぎて肌寒くなったり霧雨が続いたりすると厄介者復活ですが、過ごしやすい冷涼な気候をもたらすうちは、ありがたいやませと言えるように思います。


