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方針

2022年06月02日ゴーレム効果

 ピグマリオン効果のように「期待」と「成績」に因果関係があるのであれば、その逆もまた成立すると考えられた現象を、「ゴーレム効果※」と言います。

 人に対し悪い印象を持ち接することにより、その印象が良い印象の方を打ち消した上で、悪い影響のほうが勝ってしまい、実際に自分にとって悪い人となってしまうことを指します。これは、ピグマリオン効果とは正反対の意味を持ちます。

 例えば、教師が生徒と接する際に、この生徒は成績の良くない生徒だと思いながら、この生徒に対して成績の上がる見込みがないといった期待度の低い状態で接すると、その期待通り?に生徒の成績が下がることがあります。

 転じて、この人は嫌な感じがする人だなと思いながら、ウマが合わないことを意識して接すると、その期待通り?に相手も嫌な感じを持ち、ウマが合わない接し方をしてくることがあります。

 部下や後輩に対する接し方や嫌な顧客、上司、先輩に対する対応において、自分が持つ印象からくる感情が(良い意味でも悪い意味でも)期待とともに表れるとすると、その関係も期待通りになってしまいます。しかし、ピグマリオン効果の方を考えれば、上手い関係性を構築したり、相手が成長したりすることがあり得ます。

 これらを踏まえて、相手の良いところを少しでも見つけて、そこに注目するように接することが、世渡りとしては上手く行くコツで、少しでもそれが自然にできることが、大切だと思います。

 そんな面倒なことができるか、と思われた方は、大人の関係が築けない、世渡り下手になる可能性が高いことを覚悟した方が良いかもしれません。

※ゴーレムという名前の由来:このゴーレムとはユダヤの伝説にある意思のない泥人形のことであり、呪文で動き出すのだが、作った主人の命令だけを忠実に実行する召し使いかロボットのような存在から引用されている。



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